今週、久しぶりに妹に会った。そして実家に置きっぱなしになっていたオルゴールを受け取ってきた。このオルゴールについては、2年前の3月29日の記事で触れている。中には、小学生のころ伯母に買ってもらったネックレス(もちろん子どものおもちゃ)や集めていたガラスのかけらが入っていたはずだったが、受け取ったオルゴールの中は空だった。私自身が空にして実家に置いていたのか、私が置いていったので妹が処分したのかわからない。
私には自分が処分したという記憶はない。ガラクタばかりだがたいせつな思い出の品々だったからだ。しかし、「はじめから中は空だった」という妹の言葉を疑いたくもない。若いころは今ほど昔の思い出をなつかしいと思っていなかったから、家を出る時に思い切って私が処分したということも考えられる。そして、いくら考えてもわからないことだから、オルゴールが残っているだけでよかったと思うことにした。
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以前の記事でも書いているが、木彫りのオルゴールである。2年前は思い出せなかったのだが、なにやらエジプト人らしい3人が彫ってある。中心が偉い人で両脇にいる人(女性)が花などを捧げているというデザインだ。うっすらの色付けされているが派手さはない。図柄の周囲を荒い彫りで囲み、側面も同じように彫られている。
中をあけると2段になっていて、蓋部分の裏側には鏡が貼られている。上の段の側面も彫られており、下段にある機械が入れてあるところにも魚や料理道具(?)らしきものが彫られている。鍵穴までついていて、けっこう凝った作りである。底に小さなネジがあって、それを回し蓋をあけると曲が流れる。フォスターの「おお、スザンナ」だ。
このオルゴールが私のものになったいきさつは2年前に書いている。私も妹も欲しがったので、母が通知表に「5」がある方にあげると言ったのだ。後から思えばずいぶんと残酷なやりかただったと思うが、母はさほど深く考えずにそうしたと思う。妹にとっては今でもあまり見たくないものなのかもしれず、探すのに手間取ったのもわからなくもない。
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このオルゴール、母はどのようにして手に入れたのだろうか。子どものころ聞いた記憶もあるのに、全くといっていいほど覚えていない。結婚し子どもを育てるようになってから買ったものではないだろう。宝石らしいものを一切持っていなかったし、買えるような経済状態ではなかったし。とすると、結婚前、少なくとも25歳以前に手に入れたものということになる。母は今年86歳になったから計算すると61年前より以前、ということになろう。
今度母に会ったら忘れずに聞いておかなくては、と思っている。だいぶ長い間巻いていなかったので、ネジがきつくなって(錆びたか!?)あまり巻けなくなっており、なんとか巻いて蓋をあけると「おお、スザンナ」がゆっくりと、そして少し淋しげに流れてくる。その音を聞きながら、母のこと、妹と私の関係などについてつらつらと思いを馳せる。それにしても、2年前とほぼ同時期にこのオルゴールについて書くことになろうとは・・・
*3月も終わりか・・・今日は地元の公園で桜まつり。
*カラオケやら何やらの音がけっこううるさいのだー