さて、今日で2016年も終わり。日が明ければ新年ということになるが、毎日の連続であるのには変わりない。しかし、だからこそ人はどこかで区切りをつけ、心境を新たにしようとするのかもしれない。
還暦を迎えた今年、年明けは腹痛とともにはじまった(^^;)。救急車に乗り、その後様々な検査(レントゲン、CT、大腸内視鏡検査、胃カメラ、肺ガン検診、子宮ガン検診、骨密度検査、動脈硬化検査・・・)と治療(胃潰瘍)でほぼ2016年前半が過ぎていった。
結果的に、かなりつらいこともあったが自分の身体の総点検ができたということになる。60年も生きていると、自分の身体のことはちゃんとわかっているという錯覚に陥るが、それを誰かが戒めてくれたのかもしれない。暦が一巡りしたのを機会に、60年の間に積もり積もった既成概念や妙なこだわりを一掃し、振り出しに戻れという天からの声を聞いたような気がする。
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「老い」は着実に訪れている。自分もそうだが、共に暮らす者にも。10年前だったらほいほいどこにでも出かけていった私たちも、何かと腰が重たくなってきた。家人は胃ガン、大腸ポリープという大病を経て体力もなくなり、持病をいくつかかかえ、日々のあれこれと折り合いをつけながら生きている。
私も命にかかわるような病は得ていないが、身体のあちこちにガタがきて「気分爽快!元気ハツラツ!」という日はほとんどなくなってしまった。
しかし、「老い」と上手に付き合う知恵もお互い身に付けているはずである。あまり無理せず、しかし外部への目を離さず、楽しいことを探しつづける。そのための努力は怠りたくないと思う。
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今年実感したのは、自分の身体の「声」のようなものがいかに大切かということだ。情報は溢れ、医者の言うことは様々だが、まず重要視しなくてはいけないのは自らの身体から聞えてくる「声」だと思う。そして、その「声」をきちんと聞き取るためには身体の中をきれいにしておかねばならない、と思うようになった。つまり、身体が欲しないものは身体に入れない、ということだ。
食べるものに関して私はかなり鷹揚というかいいかげんだったが、これからは熟慮しながら選びたいと思っている。できるだけ人工的なものは食べないこと。出来合いのものは避け、自分で作ること。自分で作れば材料が判っているので安心だし、美味しくできても失敗しても納得はできる。
そこで来年の目標を立ててみた。たいした目標ではないが、こんな程度の方が気楽で実現性は高いかもしれない。
●魚を捌けるようになること。
●包丁を自分で研げるようになること。
●調味料は厳選すること。
●発酵食品をできるだけ摂ること。
●できるだけ歩くこと。ラジオ体操をすること。
●感動する機会を逃さないこと。
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このところいい天気が続いて、穏やかに晴れた冬の陽射しがやさしい。そんな中を歩いていると、贅沢はできないがとりあえず元気で生きていることへの感謝の気持ちが湧いてくる。そして、自分だけで生きているのではない、という思いも。
心も身体も、振り出しに戻ったつもりで残された年月を生きていこう。さよなら、2016年。
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12/3の記事にコメントを下さり、金子さんの本の注文方法をお尋ねになったymさんへ。
今のところメールは受け取っていませんが、もしメールを出したのに連絡がないということ
がありましたら、お手数ですがどの記事にでもかまわないのでコメント欄でお知らせください。
よろしくお願いいたします。