・・・「ボクなんにもわるいことしてないもん」と甘えるダイスケ・・・
「君には君の夢があり僕には僕の夢がある」という流行歌が昔あった。最近の私はこの歌の歌詞を変えて「猫には猫の理由(わけ)があり人には人の理由がある」を頭の中に浮かべる。時には軽く口ずさんだりもする。
猫でも犬でもいいのだが、多頭飼いをしている家庭なら決して珍しくない出来事が最近勃発。新入りのダイスケが「不適切な排便行為」をするようになってしまったのだ。今までトイレに関しては何の問題もなかったので、ダイスケにはダイスケの「理由」がちゃんとあるのだと思う。
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今までこうした問題にあまり直面してこなかったのはラッキーだったかもしれない。昨年ふくが来てから少々不穏な動き(^^;)はあったのだが、猫同士の年齢差、性差、性格などにより多かれ少なかれ誰もがストレスを持つ生活なのだろう。それはそれで仕方のないことなので、時間の経過とともになんとか折り合いをつけてほしいと人間は願うのであるが、やはり猫には猫の「理由」はあるのだろう。
トイレの位置も変えていないし砂も変えていない。掃除はこまめにしている。そして「不適切な排便行為」をする場所が決まっている(まだ2回だが)。それを考え合わせると、どうも最近険悪になりつつある「まめこ」との確執めいたものが原因なのではないかと推測される。
「まめこ」はもともととても臆病な性格で来客などがあると奥に潜んで全く顔を見せない。それどころか、スーパーの袋が大嫌いで、少しでもガサガサという音がすると近くにいてもさっさと逃げてしまうほどだ。幼いころのトラウマがあるのではないかと思う。そして臆病でありながら、「まめこ」は頑固でもある。嫌なものは徹底的に嫌で妥協しない。「ふく」が来た時遊んでほしくて近寄っていくと、途端に素早い猫パンチを連打しており、それが何度か続くと「ふく」も「まめこ」にはあまり不用意に近づかなくなった。
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これで万事オーライ・・・とはいかないところがなんともかんともな現実である。ダイスケは基本的に素直な性格で「ふく」のように「撫でようとしたら噛みつく」というようなこともない。撫でてもらうのが大好きで私が顔を見せると寄ってきてすり寄りごろごろ、すりすりの繰り返しである。が、やはり男子。太っているとは決して思えない体形だが、力がある。ぐっとすり寄られた時、こちらがのほほんとしていると体の体勢がくずれることがあり、さすが男子!と思っていた。
そのダイスケ、やはり子どもなので「まめこ」にも近づいたり飛びかかったりしていたが、「まめこ」に猫パンチされても諦めない。「まめこ」は「まめこ」で「ふく」に対しては徹底して強気だったのに、相手がダイスケだと形勢不利に見える。逃げまくる「まめこ」をダイスケが追いつめ、「まめこ」が威嚇とも悲鳴ともいえない声をあげることが時々あり、そこまでくると人間が介入して「まめこ」を逃がす。以来「まめこ」にとってダイスケは天敵のような存在になってしまったのか、近くを通っただけで猫パンチしたりするようになった。
そうなるとダイスケもおもしろくない。単に遊んでほしかっただけなのに。ただ近くを通っただけなのに。「このクソババァ!」と思っているかどうかはわからないが、追いつめ方が厳しくなってきた。方や満1歳になったばかりの若猫。方やもうすぐ12歳になろうとする老嬢。力の差は目に見えているから、できるだけ「まめこ」に味方することにしているが、ダイスケを叱ることもしない。ダイスケにはダイスケの「理由」があり、動物が持つ「理由」は正当だと私は思っているからだ。
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ダイスケが「不適切な排便行為」をするのは、家人の布団の右側である。先日私が不在の時に、家人の目の前でそこにオシッコを長々とやらかしたらしい。敷布団やタオルケット、近くに置いてあった家人の服などが被害にあった。洗えるものは洗えばいいが、布団は古くなっていたこともあり廃棄することにした。で、昨日新しい布団が届いたら・・・今朝方またやらかしてしまった(^^;)
家人の布団右側にはタンスがあり、その上にカラーボックスを積み上げてある。ボックスと天井の間にはわずかなすき間があり、そこはなんと「まめこ」の秘密基地なのだ。何かあるとそこに篭り、出てこないとそこまで食事を運んでやったりしている。この聖域への侵入をダイスケは何度か試みていることからも、ダイスケは気にくわないババァへのアピールとして自分の匂いを付けることにしたのではないか。
そこまでくると、こちらもやはり困る。人には人の「理由」もあるからである。今回布団はほとんど被害を受けていなかったのだが、今日は洗濯が大変なことになっている。畳を丁寧にふき掃除、消毒し、布団には濡れないような工夫をしなくてはと思っているところだ。また、しばらくの間ダイスケは夜間ケージに入ってもらうことにした。トイレを入れておけば問題はないと思う。
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そんなこんなでバタバタしている時に限ってさらなる不幸(!)が訪れるものだ。昨日、ダイスケと「ふく」に昼ごはんをあげようとしていた時・・・ダイスケが私の足に強烈にからまり、両手にキャットフードを保存している大きめの容器を持っていた私は落とさないようバランスをとるため膝を捻ってしまった。あ、捻った!と思った瞬間から痛みが出て、しばらく立ち上がれなかった。
夕方出かけたついでに湿布薬を買ってきて貼っているが、先ほど見たらけっこう腫れている。ゆっくりなら歩けるが、ああ、わが家はメゾネット。一日何度も階段を上り下りしなくてはならず、「うううう」と低く唸りながら歩いている。やれやれである。