60年近く生きていれば、しかも世の中の常識、世間体などに反発しながら生きてれ
ば受けてきた傷も数々ある。決して平穏な日々ではなかったが、かといって過酷だ
ったかといえばそうでもなかったと思う。要するに結果的には中途半端といえばそ
れまでで、さほど深い傷は負ってこなかったのかもしれないとも思う。
しかし、この年齢になると若いころだったらどうということもないことが大きな負
担となるということもあるんだなぁ、と最近感じている。それは精神的なショック
というよりも身体的なものが否応無しに自分の生活に妙な影を落とすということを
最近感じている。
自分でもちょっとおかしいし不思議でもあるのだが、先日の救急車騒動以来なにか
「トラウマ」のようなものが自分の中にあるのを感じる。
特別なことをした覚えはないし、いつもと違うものを食べた記憶もない。体調だっ
て絶好調とはいえないにしてもごく普通だった。それなのにいきなりあの苦痛
・・・何故だ?という思いもあるが、それは追求するつもりはない。しかし、「
便秘ですねー!」とERの医者が軽やかに言い放った時から、食べることが少し恐
くなった。食べれば溜まる、溜まったものが出なければ・・・そんな意識が働く
のか。2〜3日は本当に食欲が全くなかったのだが、食欲がないときは無理に食べ
ないことにしていたのでそれはそれでよい。
数日したら空腹感をちゃんと感じるようになったので、できるだけ気にせずに食
べるようにしている。が、何かを食べている時にもどこか「大丈夫か?」という
意識があるような気がする。できるだけ意識しないようにはしているが、そうす
るとある程度食べるとそれ以上食べたくなくなってくる。
また、あの苦痛の時間を経験する前に自分が何を食べたかはわかっているので、
そららをまた食べることがちょっと恐い。特別なものは食べていない。みかん
を食べ過ぎたような気がしたこと、家人がスーパーで買ってきた寿司を4つほど
食べたこと、くらいしかないのだがそれらを食べるのが少し恐い。
私は今まで胃腸については自信があったというほどでもないが、丈夫だと思って
いた。だから、食べたいと思った時に食べたいものを食べればいいと思い、夜遅
くでも空腹を感じたら迷わず食べていた。が、今はたとえ空腹を感じても食べる
べき時間帯でない時に食べるのに躊躇いを感じ、そのまま食べずに寝る。
そんな時は今までだったら朝起きたた空腹感を思い切り感じたものだが、最近は
あまり感じない。いやな感じだなぁと思う。おなかが空いて、食べたいものを食
べて、満足して・・・というのが健康的だと思うのだが、そんな状態にまだ戻れ
ずにいるのがもどかしい。
この状況、自分ではかなりイヤなのである。お腹が空いたら、食べたいものをガ
ツガツ食べてみたいのだ。それができないのがなんとも情けないのだ。
しかし、こればかりは身体が食べ物を求めなければどうしようもない。今はせめ
て、少なくても栄養価の高いものを食べ、できるだけ動いて身体を活性化させる
しかないと思っている。年をとると、本当にいろいろなことがある。それを実感
する今日このごろ。