友人Sさんのブログにステキな建物の写真があったので、見当をつけて調べ自分の目で見に行ってきた。廃虚はもとより少し間違えれば廃虚になりそうな建物、このままでいくと荒れ放題になってしまいそうな建物が何故か好きである。情報に出会うとついつい行きたくなる。そういう建物はたいていすぐれた設計のもとに建設されており、古いが観賞価値が高いものが多い。
旧藤澤カントリー倶楽部のクラブハウスは現在「グリーンハウス」の愛称で呼ばれているらしい。竣工は1932年(昭和7年)で設計はアントニン・レーモンド。1943年に海軍に徴用されるまで各界の著名人たちが交流する華やかな場所だったという。
現存する日本最古のクラブハウスとのことで、建築文化面からも重要な建物だと思われる。建築については疎いので様式などは全くわからないが、剥落した壁もいい雰囲気を醸し出しており、こじんまりとはしているがなかなか見どころの多い建物だと思った。
屋根は緑青色のスペイン瓦で、その色から「聖心の布教姉妹会」のシスターたちから「グリーンハウス」と呼ばれた、とリーフレットに記載されている。建物西側に回ればその瓦が見られたようだが、今日はそちらまで行かずに帰ってきてしまい、ちょっと残念だ。
屋内は、現在食堂として利用されている。今は一帯が神奈川県立体育センターとなっており、様々なスポーツを楽しむ人たちが利用しているのだろう。食堂は「玉屋食堂」というこれまた日本的かつ庶民的な名前。メニューも「かつ丼」「親子丼」「カツカレー」「オムライス」「ラーメン」など庶民的で、値段もリーズナブル。量が多いとのことだったので今日はオムライスを少なめで、と注文したが食べきれなかった(^^;)厨房は家族経営のようなアットホームな雰囲気で、由緒ある建物とのギャップがなかなかおもしろい。
歴史的建造物を残していくのはなかなか難しいようだ。補修や修理にも膨大な資金が必要であろうし、公開するとなると安全面での配慮も必要になってくる。ただ、壊してしまえばそれまでなのである。樹齢数百年の樹を切り倒してしまうのと同じことで、なんとか方策をみつけてできるだけ残してほしいと思う。
横浜の赤レンガ倉庫の現在を思うと、私は複雑な気持ちになる。残ったのはいいが、あのような形で・・・と。できれば、建物をできるだけ当時のままにしておいて、博物館や美術館など文化的施設にしてほしかった。あそこまで商業的な施設になってしまうと興ざめなのである。また、半ば放置状態になっている根岸の競馬場も心配だ。とても美しい建物なのに。
空気が冷たく澄んできた。桜の紅葉もはじまって秋は深まり明日から11月。私の好きな季節がやってくる。体力・経済力(^^;)が許す範囲で、できるだけあちこち出かけていきたいと思う。
*エリスマン邸、旧イタリア大使館別荘もレーモンドの設計なのね。
*旧イタリア大使館別荘は一度行ってみたいところ。
*そういえばレーモンド松屋さん、どうしているかな?
*お話したことはないが、仕事関係で間近で歌を聴いたことが何度か。
*陽水ばりののびのある声でっせー!