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日々の内側
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CAT BUTTON
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このところ、とんとボタンを買わなくなった。数ばかり増える一方で少し控えようと思っていることもあるが、気にいるボタンはけっこう高価なので財布と相談してやめていたということもある。有効に活用できればとは思っているが、首を傷めて以来縫い物、編み物は控えているので使う機会がない。


そんな今日このごろではあるが、何度かボタンを買ったことがある「co-」からダイレクトメールが届き、ふとサイトを見に行って思わず買ってしまったボタンがある。そう、猫のボタンだ。私は「猫モノ」に弱いのだ。


しかし、弱いとはいえなまじな「猫モノ」では満足しないですぞ。いわゆる“かわいい”系はどちらかというと苦手で、猫の野性味や気まぐれな性質が上手く表現されているモノに惹かれる。あまり数はないが、私の猫モノコレクション(意図的に集めたわけではないのでコレクションといえるかどうかわからないが)を見回してみても、“かわいい”とはお世辞にも言えない、“恐い”“まぬけ”“にくたらしい”感じのものばかりである。


今回手に入れたボタンは、「Mari&Tomoka HAPPY WE」というブランドとのコラボレーションボタン。猫のイラストを描いたのはTomoka Nagayamaさんで、ボタンのパッケージ裏にあるコメントによると・・・


「マイペースでわがままで、時々野性的なのにとても寂しがりやで人懐っこい、そんな可愛いだけじゃない猫達の個性が伝わるような作品づくりを心がけています」


ボタンは何種類かあるが、なるほどどの猫も個性的だ。おデブちゃんあり、フサフサ君あり・・・気を許していると思いもかけない悪戯をやらかしてくれそうなところがなんとも魅力的。これぞ私好みの猫たちである。


ボタンは直径2.8センチとやや大ぶりなのでいろいろな使いかたができると思う。が、しばらくの間は時々眺めて「ふふふ」とほくそ笑みながら楽しみたい。マッチ箱のようなパッケージもまたいい感じだ。


*Tomokaさんのサイトは、ここ

*エコバッグ、欲しかったかも〜


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| - | 08:43 | comments(6) | - |
MJ
14-0629

新聞を何気なくパラパラとめくっていたら、雑誌の記事がふと目に入った。Newsweekの「マイケル最後の日々」。そうか、そういえば6月25日が命日だとどこかで読んだっけ。もう5年経ったのかと思ったっけ。


マイケル・ジャクソンについて、私はほとんど知らない。ジャクソン・ファイブのボーカルとして子供時代から名前だけは知っており、その後の様々なヒット曲やよくできたPVや数々のスキャンダル・・・そんなものも見聞きしているが、特別注意を払ってこなかった。ただ、歌はともかく、ダンスが格段に上手な人だな、とは思っていたけれど。


マイケル・ジャクソンなどの超有名人に限らず、無名の一般人でさえその人の「本当の姿」を知ることはほとんど不可能だと思っている。なにかの折りにふと垣間見ることはあったとしても、それはその人のごく一部であり、その一部をもって全体を語るのはおかしい、とも思っている。なので、マスコミが取り上げる様々なゴシップやら何やらも気にすることはないし、基本的にアーティストと呼ばれる人たちについてはその作品で判断すればいいと考えている。


マイケル・ジャクソンに関して言えば、そのあまりに突飛なスキャンダルに多少驚くことはあった。顔つきがどんどん不自然になってきていたし、どこか変人めいた雰囲気を感じていた。が、あれほど人気がある人には膨大な数の人が群がり、誰だって変人にならざるをえないのではないかとも思っていた。爬虫類をお思わせる容貌の奥に、絶望的な孤独を抱えている人。そんな印象だったのかもしれない。


私が曲がりなりにも興味を持ち始めたのは、皮肉にも彼の突然の死からである。死因についてもあれこれ言われ裁判沙汰にもなっていたようだが、いずれ似たような死に方をするような気はしていた。マイケル・ジャクソンが長生きして孫に囲まれている図というのは想像できない。


興味を持ったので、「THIS IS IT」のDVDを見た。そこにいるマイケルはむしろ物静かで抑制の効いた男で、ステージに対する真剣な態度から妥協を許さない強い意志を感じた。アーティストとしてだけでなく人間的にも魅力的な人だと素直に思ったものだ。


Newsweekの記事の詳細は書かないが、印象的だったのはボディガードとして晩年のマイケルの身近にいたビル・ウィットフィールド氏の言葉だ。


「ミスター・ジャクソンが恐れていたのは身近な人間だった・・・俺たちの役目は何よりも身内から彼を守ることだった」


自宅に引きこもったマイケルはたとえ父親でさえ会おうとはしなかったという。非常に楽しみにしていたエリザベス・テーラーの誕生パーティにも、弟ランディが自宅の門に車で突っ込むというハプニングにより出かけることができなかった。世界一有名であったかもしれない「ジャクソン・ファミリー」に何があったのかは知らないが、またしても「家族」か、と暗い気持ちになってしまった。


群がる人に辟易したとしても他人であれば何らかの方策をとることにより避けることはできる。しかし家族となるとそう簡単にはいかない。彼もまた「血の縁」に苦しめられ続けていた人だったのか。


マイケル・ジャクソンが世に送り出した音楽の中で何が一番好きかと問われれば、私の中では「Human Nature」だ。この曲については解釈がなかなか難しそうだが、そんなことはあまり気にせず聴いていたいと思う。


| - | 06:43 | comments(0) | - |
ウナギが食べられなくなっても・・・
14-0627

ニホンウナギが絶滅しそうになっているらしい。国際自然保護連合の「レッドリスト」に記載されたというニュースが流れ、これからはウナギを気軽に食べられなくなるのではないかと心配する声が相次いだ。


ウナギについてだけでなく、こういった話が出るたびに私は思う。なにも食べられなくなったっていいじゃないか、と。そもそも、数が減ったのは人間が良くに任せて乱獲したからであり、ウナギの場合とくに日本において好まれ消費されてきた。欧米では「世界中のウナギが日本人に食い尽くされる」という懸念が広まっているという話もあるし、日本の消費を見込んだ不正な取引も多いと聞く。ここいらで、しばらくウナギをあきらめて数が増えるのを待ち、一定数の増加が確認されたら厳しい規制のもとに計画的な消費をすることを考えてもいいのではないか。


人間は欲深い生き物だが、他の生物を絶滅させるほどの欲は罪だと思う。


テレビをつければ相変わらずグルメ関係の番組が多く、知恵を絞り目先を変えた企画で人間の欲を刺激している。食べることが好きな人にはおもしろいのかもしれないが、あまりの氾濫ぶりにうんざりすることもある。


「食べる」という行為は本能的な行為なので、その姿はあまり人に見せるようなものではないと思うが、電車の中でバクバクなにかを食べて平気な人が多い昨今、こんなことをいうのは時代遅れと思われてもしかたないかもしれない。しかし私はあまり見たくはないので、できるだけそういった番組は見ないことにしている。


前にも書いたことがあると思うが、母親学級で聞いた話が今でも忘れられない。これから子供を産もうとしている母親の食生活についての話で、「その気になれば自分で調達できると思うものだけ食べた方がよい」と教えられた。野菜なら地場野菜。魚なら近海の魚。そんな話だったように記憶している。


美味しいもの、今まで経験したことのない味のものを食べてみたいという気持ちがわからないわけではない。が、結局のところ身近にある鮮度のよいものが一番美味しいし体にもいいように思う。普段はそういう食生活をし、ごくたまに普段は食べないようなものを食べる。それくらいの節度が欲しいと思う。そうしないと、これからもどんどん絶滅していく生き物が増えていくのではないか。


食べ物だけではない。私たちはもっと生活の中で使っているものの原料について知ろうとしなければいけないのではないかとと最近思う。安全性はもとより、生産や流通のしくみなどについて知ることは大切だと考える。


最後にウナギを食べたのはいつだったか・・・3年くらい前、三島の専門店で食べたのが最後だったかもしれない。白焼きが美味しかった。ウナギってこんなに美味しいのかと思った。もう一度行けたらそれを最後にウナギとはさよならしようかとも思う。死ぬまで食べられなくても、それはそれでよし。ウナギが食べられなくなっても、全く問題なし。

| - | 21:31 | comments(0) | - |
「いろいろいる」
14-0626

少し前、Mちゃんに誘われて行った要町の「なんてんカフェ」で、「いろいろいる」(高橋千尋作)という小さな本を買った。


そもそもは、そこで開催されていた高橋さんの小さな個展を見ることと、同人誌「一個」(栗売社)のバックナンバーを買うことが目的(Mちゃんの)だった。おいしいランチを食べ、不思議な雰囲気の絵をいくつか見て気に入ったので買ってきた「いろいろいる」・・・


万人受けする絵ではない。見かたによっては少し不気味にも見えるような絵である。が、私はけっこう好きだ。高橋さんは絵だけでなく詩を書く人で、同人誌「一個」は佐々木安美さん、井坂洋子さん、高橋さんの3人からなる同人が発行しているい。井坂さんは私でも名前を聞いたことがある詩人だが、作品をじっくり読んだことがないので「一個」の第3合も合わせて買ってきた。


「いろいろいる」は、高橋さんの中にある「いろいろな」存在や、身の回りにある何の変哲もない日常品について書かれた詩からなる。切った爪だったりふとんたたきだったり、食べ散らかしたみかんの皮だったり使いかけの長ねぎだったり。ある時それらがこっそりと作者に語りかけてくるのだ。


その感覚がおもしろい。自分には全くない感覚と創造力が言葉となって目の前に現れる楽しさを感じる。おもしろい作家だと思う。


写真はアサリについて書かれた詩と絵。いつもアサリを見ると、似ているようでいてみな違うその模様がおもしろいと思っていたが、こうきたか!と感服した。


さかなやの店先で浅蜊がうなる。

「私を買って 私をみつめて」

言われたとおり

連れて帰った。

浅蜊は

からだに描いた故郷をみせた。

目の前に山水画が広がる。

あなたは

ここで

生まれたのですか。

ここに沈んでいたのですか。

| - | 20:59 | comments(0) | - |
麻もいろいろ
14-0625

夏向きの繊維として衣類などに使われている「麻」。涼しげなシャリ感とドライな感触が暑い季節にぴったりだが、最近ちょっと注意しなければならないかなと思っている。


日本では「麻」とひとくくりにしているが、リネン(亜麻)はアマ科の一年草、ラミー(苧麻)はいらくさ科の多年草、ヘンプ(大麻)はアサ科の一年草だ。いずれも衣類に使う。ジュート(黄麻)というのもあり、こちらはシナノキ科の植物で、こちらはヒモやカーペット、バッグなどに使われているようだ。もうひとつ、サイザル麻という素材があるが、こちらはリュウゼツラン科から作られる繊維。


日本人が昔からなじんできた「麻」は、ラミーかヘンプらしい。衣服を含め日常的に使われており栽培もされていたようだが、いずれも今はほとんど輸入に頼っているという。とくにヘンプ(大麻)は戦後「大麻取締法」が制定され、法律で縛られてしまったという経緯がある。


現在、私たちが目にする衣服についていれば、「麻」という表記よりも「リネン」の方が多い。「家庭用品品質表示法」で「麻」と表示できるのはリネンとラミーだけだそうで、ヘンプなどは「指定外繊維」という表記になるとのことだ。なんだかややこしいので、「麻」という表記をやめて、「リネン」「ラミー」「ヘンプ」などの表記にすればいいのに、などと思ってしまう。


話が前後してしまったが、最初に「注意しなければならないかな」と書いたのは「麻」という繊維に対するアレルギー体質なのかもしれないと思い始めたからなのだ。アレルギーといってもさほど強いものではないが、ものによっては不快感を感じてしまう体質なのかもしれないと疑いはじめたのである。


きかけは、写真のバッグ。少し前、谷中で購入したものでサイザル麻のカゴバッグである。カゴというと夏のイメージがあるが、これなら一年中使えるかなと思ったし、同行のSさんの愛用品がいい味わいになっていたから購入を決めた。「サイザル」で検索するといろいろなカゴバッグが出てくると思うが、色も豊富で使いやすそうだ。


が、はじめてこれを持った時、「あれれ?」と思った。持ち手を掌で持っている時はいいのだが、腕にかけて持つとなんだか痛痒いのである。しっかり編まれているので持ち手は固い。固いから痛いのかなと気にしないでいたのだが、痛いだけでなく痒さも感じる。持ち替えてみてもしばらく痒い。これって・・・


そういえば、何枚か持っているリネンのシャツの中にも、着ているとかすかに痒みを感じるものがある。痒くて痒くて我慢できないというほどではないのだが、チクチク感が気になる時があるのだ。とくに、うっすらと汗をかいた時などに感じる。おもしろいのは、全く感じないシャツもあることだ。たぶん製品化の過程が違うのかもしれないし、繊維の細さが関係しているのかもしれない。


もうひとつ思い当たるのは、以前麻ヒモでバッグを編もうとしたことがあるのだが、編み出した途端くしゃみがとまらなくなり断念したことがあった経験。花粉症と似た症状でのどまで痛くなってきた。編む時に出るホコリのせいかなとも思ったのだが、他の繊維でも多かれ少なかれホコリは出る。あれほど激しい反応というのは、体質に合わないということだろう。以来、麻ヒモにはあまり近づかないでいる(^^;)


「麻」は洗えば洗うほど柔らかくなる性質があるとのことなので、チクチクするシャツも何度か洗えば快適に着られるようになるかもしれない。それまでは、できるだけ素肌に触れないような着方をすればよい。サイザルのバッグも、有り合わせの糸で編んだものを持ち手に付けてみたのでガンガン使う予定。いろいろ工夫しながら、「麻」と付き合っていきたいと思う。

| - | 10:03 | comments(6) | - |
22日は「猫に語らせる日」だったのに!・・・6月担当:まめこ
14-0624

みなさん、こんにちは。まめこなの。ひどーい!ひどーい!すみごんたら、22日はねこがたんとうだとゆっていたのに、それをすっかりわすれていたの。ゴンとみかんのときは、おぼえていたのに。まめこのときだけわすれていたの。まめこ、そんざいかんがないのかな・・・しくしく(うそなき)


こんげつは、すみごんのおたんじょうびがありました。またひとつとしをとって、しょうしんしょうめいの「おばさん」です。みためも、ねんねんりっぱな「おばさん」になっています。まめこ、8がつにたんじょうびがあって、10さいになるの。にんげんでいうと、56さいくらいらしいの。でも、まめこは、しわもしみもたるみもないよ。おなじ「おばさん」でも、すみごんとはぜんぜんちがうんだから。すみごんも、「まーちゃんは、つやつやしていてうらやましい」とゆっているの。いいでしょう!


まめこ、さいきんは、ゴンといっしょにいるより、ねているすみごんのよこにいって、なでなでしてもらうのがすきになってきたの。だんだんきもちよくなってくると、「コテン」をしておなかをうえにするの。すみごんは、まめこのおなかをむにゅむにゅとなでてくれるの。きもちいいのでゴロゴロのどがなっちゃうの。


それがまめこのりらっくすたいむなんだけど、ちょっととおくをみると、オッサンが「じっとりしせん」でまめこをみているの。そして、「まーちゃん、こっちおいでー!」とか「いいなーオレにはそんなことしてくれないぞ」とかゆうの。


まめこ、おとこのひとよりおんなのひとのほうがあんしんできるので、いかないの。すると、「ふん!じゃ、いいよ。どうせオレはきらわれてるよ。ふん!」とゆって、ひがむの。おとこって、ひがみっぽいとまめこはおもうです。


でも、このオッサンは、まめこがすきな「マックのいも」をときどきくれるの。すみごんが、「しょっぱいものはよくないよ」とゆっても、くれるの。「マックのいも」はまめこがひとりでがんばっていたころのごちそうなの。だから、いまでもだいすきなの。これをくれるときだけ、「オッサンもあんがいいいかも」っておもうです。


まめこはもうすぐ10さいになるけど、いままで「びょういん」にいったのは1どだけなの。「ひにんしゅじゅつ」をしにいったときだけ。ゴンはおとしよりになってから、ときどきぐあいがわるくなるので、そのたんびにつれていってもらっているの。でも、いつも「べつにどこもわるくなさそうだ」といわれてかえってくるの。そして、よくじつにはいつものようにげんきになるの「けびょうだ!」とオッサンにいわれているけど、どうなのかな。おとしよりって、そんなものなのかもしれないと、まめこはおもうです。


みかんは、まえにべんぴになったとき、なんどか「びょういん」にいってオシリをホリホリしてもらったの。それでもまだべんぴらしいの。そして、ますますデブになったきがするの。まめこ?まめこはずっとすまーとだよ。


まめこはからだのいろがくろっぽいので、すみごんは「しゃしん、とりにくい」ってゆうの。でも、「あいふぉん」のカメラだとあんがいよくとれるので、まえよりしゃしんをとってくれることがおおくなったの。これからも「びけい」のまめこのしゃしんをたくさんとって、みんなにみせてほしいとおもうです。ちゅうねんのみりょくもくわわって、すてきな「じゅくじょしゃしん」になるとおもうけどなー


らいげつは、またゴンのばんです。おとしよりなので、なつばてしていたら、まめこがかわってあげるです。でも、ゴンがぐあいわるくなると、すみごんがすごくしんぱいするので、せいぜいげんきでいてほしいとおもうです。いつも、みかんだけが「やさしい」といわれているけど、まめこだってやさしいんだからね!おしまい。

| - | 05:04 | comments(7) | - |
THE FUNK BROTHERS
14-0623

永遠のモータウン」という記録映画のDVDを借りてみた。内容をろくに確認せずリストに入れておいたら送られてきたものだが、いい意味で予想外の手応えを感じた。


モータウン・レーベルというと誰を思い浮かべるだろうか。「ソウル・ミュージック」が流行っていたころには、相当数のミュージシャンが紹介され、大ヒットした曲も多い。スティービー・ワンダー、マービン・ゲイ、ダイアナ・ロス&シュープリームス、スモーキー・ロビンソン、テンプテーションズ、フォートップス・・・なつかしい面々の名前が浮かぶ。


実は、映画のタイトルから勝手に想像していたのは、これら有名なミュージシャンのヒット曲と映像を集大成のような形で紹介する映画かと思っていたのだったが・・・


私も全く気にしていなかったのだが、かつて大ヒットを飛ばした彼らのバックには「ザ・ファンク・ブラザース」というスタジオ・ミュージシャンたちが存在していた。映画は彼らに取材したもので、もう老境に入っているといっていいくらいの年齢になった彼らが当時を振り返り、仲間のことを思い出し、そして彼らをリスペクトする若いミュージシャンたちと共演する。ナレーションを入れながら、あれほどヒット曲を出したというのに知名度がほとんどない彼らにスポットを当てることにより、どの世界でも見逃されやすい裏方たちの苦労やプライドなどを伝えていく。


スティービーも、マービンも、みんな有名になったのにまったくといっていいほどスポットを当てられずにいる日々。不満も多かったと思う。しかし、昔を語る彼らからは、その苦労にもまして楽しかった時代の雰囲気が感じられる。本当に音楽が好きで、仲間と一緒に演奏するのが好きで、ここまで来た。そんな満足感さえ感じられた。


彼らの出身はまちまち、育った環境も経験してきた音楽も違う。ジャズ畑で仕事をしていたメンバーも数人おり、マイルスやチャーリー・パーカーなどとも共演したりしている。


みな実力の面では申し分ないし、イメージだけを渡されて後は自分たちで曲を組み立てていく才能もあったのだ。もっといい待遇を受けて当然だと思うが、裏方は厳しい。不眠不休で全国を回るというかなりハードな日々を過ごしていたようで、薬物中毒になり命を落としたメンバーもいた。すでに故人となったかつての仲間のことを悲しげに、だがなつかしげに語る彼ら。一緒に生きた時代を誇りに思っているのだろう。


調べてみると、ベスト版のCDが出ている。私が大好きな「What's Going On」も「Papa Was A Rolling Stone」も彼らの演奏だった。非常に遅ればせながらではあるが、彼らのことを知ることができてよかったと思う。


*彼らがバックをつとめていると思われる動画発見!→こちら

*ベースは、たぶん伝説のベーシスト、ジェームス・ジェマーソン


| - | 14:33 | comments(0) | - |
「映画でイッパイいっぱい」
14-0622-1

いまや常連館になった横浜・黄金町のジャック&ベティ。この映画館がなければ、またここの会員にならなければ映画を観に行く回数がかなり少なくなっていたはず。近いこと、コンパクトなこと、そして私好みの映画が多いこと。これらの条件がうまく重なる映画館があってよかった!と心底思っている。


映画を観に行くと、いつも案内係のように目を配っているやや長髪の男性がいる。梶原俊幸さんという方で、この映画館の支配人だ。常連さんとおぼしき人とにこやかに話をしていることもあり、地域に密着した映画館としてファンも多いのではないかと思う。上映作品選定にあたっても支配人の意見や好みは反映されるのだろうから、私はひそかにこの支配人にエールを送っているのだ。


もう一人、応援したい人がいる。毎日クマ子さん(もちろんペンネームだろうな)。映画館に設置されているフライヤーのラックに手書きの映画解説が入っていることがあるが、このA4ペラのモノクロコピーが「毎日クマ子の映画でイッパイいっぱい」だ。


単なる映画解説ではなく、彼女の主観や本音をゆるーく書いたものでイラストも楽しい。少し前映画を観に行った時、冊子化されているのをみかけた。その時は買わなかったのだが、先日行った時にすかさずゲット。パート2も出ていたので2冊手に入れてさっそく読んでみたが、やはりおもしろい。


映画評論家などの文章と違って肩が凝らず、かといってけっしておふざけではなく、映画をきちんと観ている姿勢が感じられる。作品は最低でも2回は観るそうで、それ以外にも資料を集めたりパンフレットを読んだりしているという。もちろん締め切りも厳然としてあるのだろうから、これはもう立派な「仕事」だと思う。


毎日クマ子さんには、「まったり家の」という肩書きがある。「まったり家」とは上大岡の住宅街にある彼女の店(?)で、一軒家を使った漫画喫茶のようなところ。以前友人Sさんに誘われて一度行ったことがあるが、持ち主も部屋の雰囲気もいい意味でゆるーく、一人で来て漫画をゆっくり読んで帰る人が多いというのもうなずける。


“イッパイいっぱい”はきついかもしれないが、今後も楽しみにしているのでぜひ続けてほしい。ちなみに先日持ち帰ったペラは「ヴィオレッタ」。うーん、これも観たいぞ!


中はこんな↓感じ。


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| - | 14:43 | comments(4) | - |
ラップ・ブレス
14-0621

去年は自分の誕生日記念にカメラを奢った。500円玉貯金がある程度たまっていたからできたことで、今年はそう高価なものは買えない・・・ということで、ここ1〜2年最も気になるアクセサリーであるラップタイプのブレスレットにした。


耳には穴をあけているので、ピアスは日常的に身に付ける。指輪はもっていなくはないが、ほとんど使わない。ネックレスやペンダントはたまに使う程度(首にストールを巻いていることが多いので)。で、少し遊びたいならブレスレット。それも、いくつか重ねて着けるのがマイ・ブームだ。


長袖の季節に付けるが、やはり手首を出す夏が一番ブレスレットの活躍シーズン。指輪同様、付け慣れないと気になるが、慣れてしまうと「ないと淋しい」感じがしてくる。日焼けした骨っぽい手首も少しは女性らしく見えるというものだ・・・ろう。


買ったのは、去年だったか百貨店で売られていたものが偽物だったことでニュースになった、チャン・ルーの5連ラップ。色は一年中使えるように、ダークな色目にした。使われているビーズはスワロフスキーのものが数種類。


チャン・ルーのラップ・ブレスはいざ選ぼうとするといろいろあって迷う。また、ブームに目をつけた他社や個人が作っている似たものもたくさんある。レザーコードを使うのは共通しているが、色はいろいろ。ビーズの種類は多様で、スワロフスキー、シルバービーズ、半貴石などがよく使われる。


チャン・ルーのラップ・ブレスが好きなのは、エスニックな雰囲気なのに着るものをあまり選ばないということ。もともと私はラフなスタイルが多いので、何を着ても違和感がない。たぶん、シルクのブラウスなどにも合うと思う。


また、「エシカル」という考え方も好きだ。本物(去年のニュースがあるので不安は残るが)は、お手ごろ価格とはいえないが、使われている素材や作りを見れば不当な価格とは思えない。作り手の利益をきちんと考えられて作られたものをできるだけ買いたいと思っているので、財布が許せばそういった考え方のもとに作られているものを買いたいのだ。


ちょっと嫌なのは、いわゆる「セレブご愛用」としてチャラチャラしたメディアに紹介されていること。商品やブランドに責任はないのだが・・・


さて、私のものは1年間の保証がついているので、しかるべき商品だとは思う。パロディ商品でも、それをきちんとうたっているものなら抵抗は感じない方なのだが、たまにはしかるべきものを。本当はね、この5連ラップを2つか3つ重ねて付けてみたいのだが、今年はここまで!


| - | 12:37 | comments(0) | - |
「罪の手ざわり」
14-0620

誕生月の無料ハガキをもらっていたので、ここ1年ほど通っているジャック&ベティに映画を観に行ってきた。


観たのは「罪の手ざわり」(中国・ジャ・ジャンクー監督)。5月末に渋谷のル・シネマで公開された映画で、1ヶ月後に常連館で観ることができるというのはありがたい・・・のかな?


映画の背景は高度成長期に入ってすでに20年が経過した中国。ビルが立ち並び、空港建設が進み、ある部分では急速に近代化されつつある。が、一方で経済格差は大きくなり、殺人事件や自殺が社会問題化されている。そんな社会の中でそれぞれに鬱屈したものを持つ4人が犯した「罪」とは・・・


4人の物語は実際に起こった事件をヒントにしているらしい。4人のうち3人がライフルで、拳銃で、ナイフで人を殺めるが、そこにはそれぞれ「そうせざるを得なかった」というような切迫したものがある。それを正当化することもなく、かといって責め倒すこともなく、映画は淡々と事実を描いていく。


4つの話はそれぞれ背景となる場所も違い関連性はない。が、1話に出てきた人物が2話目にもちらりと出てくる仕掛けで、パンフレットに寄せた文章の中で川本三郎氏は「オムニバスというより、チェーン・ストーリー」と書いている。その「鎖」を結ぶものは、不条理な社会に対する問いかけだろうか。


ここ数年、優れた(私の主観での話だが)中国映画、韓国映画を観ると、他の国で作られた映画からは感じることのない骨太の存在感をひしひしと感じる。微妙な余韻を残す欧米の映画や言葉ではなかなか表現しにくい共感を感じさせる日本映画にはないものだ。何故なのかはわからないが、それが私にとって大きな魅力になっていることは確かだ。


「罪の手ざわり」の中国語タイトルは「天注定」。「天の定め」という意味らしい。それは殺人を犯した者たちの定めなのか。それとも、そういう社会に生きる人々の定めのか。


実は、ちょっとした勘違い&電車の遅れで最初の15分を観ていない。無料だからいいか、と入ってしまったが、なんとなく気になっている。もう一度観る機会があれば観たい。そう思える映画である。

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