ここ数日、STAP細胞のニュースでマスコミは盛り上がっている。既成概念にとらわれず研究を続けた若い女性の快挙は、同じ女性としても嬉しいし日本国民としても喜ぶべきことだと思う。優秀な頭脳が外国に流れがちであることを残念に思っていたので、このまま日本で活躍してくれればいいな、とも思う。
が、根が天の邪鬼な私のこと、顰蹙を買うのを覚悟で言えばこの騒ぎを手放しで喜ぶことはできない。明るいニュースはニュースとして素直に喜ぶべきだとは思うが、まばゆいばかりのスポットライトの陰にあるものの存在を忘れてはならないと思うのだ。
私は時々、進歩著しいテクノロジーを駆使すればこれくらいのことはできるだろうに、と思うことがある。ある分野が非常に発展しているのに、別の分野が驚くほど遅れている・・・なにかアンバランスだなと思うことがある。結局のところ、利権がからまない分野は日の目を見ることが少なく、一部の人たちの立場や懐にとって都合がいい分野にしつこいくらいのスポットライトが当たる・・・そんな感覚を覚える。
たぶん、私たちが知らないだけで、有益な研究は数多くなされているのではないか。が、タイミングの問題もあるとは思うものの、何かの力で潰されているような気がしてならない。
また、今朝の新聞でも伝えられているが、原発新設をめざす電気事業連合が自民党の議員に模範解答まで配っている。福島第一原発ではいまだに汚染水が流れ続けているというのに。何かあればあれだけの悲劇を産み、何かなくても廃棄物の処理がうまくできずにいる原発を新たに増設する・・・利権のためなら、何でもアリ!の態度に下劣ささえ感じる。
今回の新しい細胞にアンチエイジングを期待する声もちらりと聞こえたが、そんなに若返ってどうする!?などと思ってしまう。健康は誰もが望むもの、外見上の美は女性なら誰でも望むもの、なのかもしれないが、それにも限度というものがあるだろう。
だいぶ前から、主にアンチエイジングを目的とした化粧品には胎児や胎盤の細胞が使われているという話はあった。それが人間であれば由々しき問題であるが、もしそうであったとしても表には出てこないだろう。
5〜6才くらい若く見られるというのはまだ自然だが、60代なのに30代に見えてたら気持ち悪い。人間の欲望に限りはないのかもしれないが、それを限りあるものにするのが理性というものだろう。
何度も言うようだが、光あるところには必ず陰があるのだ。そして、光に目を奪われがちだが、そのすぐ隣にある陰は思っている以上に深く、濃い。陰を見ようとしない生き方は浅ましいと思う。
*1月も終わりか・・・はやっ!
*「木と草と花と・・・」、更新(昨日)