昨年同様、シーズンも終わりに近づいている今になって拙サイトun filの更新をした。もっと早く、との思いはいつも頭の片隅にあったが、それを実行するに足る気力がなかったという反省しかない。自分のこととして考えても、やはり秋冬物は季節に先駆けて10月くらいには見たいと思うのだ。それを1月も終わりになってから、というのはやはりだらしないことだと思う。
が、これを今年の秋まで持ち越すのはなんだか嫌なので、まあ見ていただけるだけでいいかなと思って更新した次第である。
un filは、趣味でやっているようなものであるから、実生活にまつわるあれこれ面倒くさいことや、くだらないかもしれないが関わらなくてはいけないことよりも優先順位は下である。これで食べていけるとは思っていないし、またそうするつもりだったら売り方や価格設定を大幅に見直さざるを得ない。が、そこまでやるつもりもないので、季節はずれの更新もまあ許容範囲ではある・・・といったら、いつも買ってくださっている方々に失礼だろうか。
それはともかく、売るつもりで作るという行為の難しさをいつも感じる。利益を頭に置けば、原材料費は可能か限り抑えなければならないし、それと真逆の方向でやるなら納得のいく素材を使って高額の価格設定をせざるを得ない。が、現実的にはその間のところで右往左往しながら算段することになろう。
物造りの基本姿勢として、私は自分が納得できる素材を使いたいと思う。惚れるにふさわしい糸や布たちは、それにかかわっている間ずっとなんともいえない豊かなものをくれるような気がしている。そして、その素材の価値は、見た目も大事だが最終的には風合い(=肌ざわり、触感)だというのが私の基準になりつつある。
今回作品として出したものを見ても、糸の発色の良さに惹かれて使った素材がいくつかあるが、その中でも終始いい気持ちで作れたものは触った感じが豊かな素材だ。色が気に入っても編み心地や出来上がったものの肌ざわりが今ひとつだと満足度はそこそこである。編みながら、「この感触はいいなぁ」と思える素材が私にとって一番よい素材であるような気がしている。
そんな素材に出会う歓び・・・それを忘れたくないな、と思った今日一日。