朝晩はけっこう冷え込むようになってきた。その冷え込み具合のどこか凛とした気配に心惹かれて「やっぱり寒い方がいいなぁ」と思う今日このごろ。が、やはり寄る年波、肉体の方はそれなりに衰えてきていて、いくら気分的に寒いのがいいといってもそれなりの対策を必要としている。
もともと首が弱点ということもあり、寒さを感じ始めた頃から首はできるだけ何かで覆って保護することにしている・・・というか寒くなくても(真夏でも冷房というものがあるので)所謂巻物で首を覆っていることが多いのだが、秋冬の頼もしい相棒は何といってもタートルネックのセーターである。
私の周辺にはこのタートルネックが嫌だという人がけっこういる。曰く「チクチクして嫌だ」「首が締められているようで苦しい」「暑苦しい」などなど。わかるような気がするが、私はそのような人とは逆に首が露出していると不安感を感じてしまうのだ。
チクチクする、というのは確かに不愉快である。これは私にも経験があって、ウール素材のタートルだとチクチクしやすい。だから一時は真冬でもコットンのものしか身に付けなかったこともある。が、コットンでなくてもシルクやカシミアならチクチクしないことを知り、以来手ごろな価格の(ユニ○ロなど)のものを愛用するようになった。
また、カシミアでなくても、質のいいウールのハイゲージニットであればチクチクしないこともあることを知り、こちらにも期待を寄せている。が、まだまだ課題はあるのでった。
素材面では何とか期待できるものが増えた。が、デザインは・・・なかなか難しい。たがかシンプルなタートルネックセーターというなかれ。私が問題とするのはタートル部分の長さなのでる。
日本人は平均的に首が短いのであろうか。たいていのタートルネックは衿部分の長さが足りないのだ。二つ折りにして着ると首の上の方が出てしまう。それが不満。顎のすぐ下まで来るくらいの長さが好きなのに、そのようなものは滅多にないことに気づいた。
諦めて折り返すのをやめ、折らずに「くしゅくしゅ」とたるませる着方をしていたこともあったが、折らないと当然一重なわけで寒い。しかも素材によっては「くしゅくしゅ」とさせた形が妙に落ち着かない。やはり基本はきちんと二つ折りにすべきである、と思うものの長さが・・・
ネットなどで調べてみると、私が理想的だとする長いタートルネックのセーターもないわけではない。あるにはある。しかし、知っている限りでは輸入品か国内ブランドでも高価なものが多くて私がおいそれと手を出せないものばかりだ。
タートルネックのセーターは冬のユニフォームのようなものであるから、使用頻度も高い。だから、数枚は欲しい。だから、そんなに高価なよそ行き価格のものは買えないのである。
そんな悩み(大げさ)をかかえて悶々としていた(さらに大げさ)時、いいものを発見した。ほぼ私が求めていたもので、しかもリーズナブル。なんでリーズナブルかというと、たぶん有名メーカーではなく広告宣伝費をあまり使っていないからだと思われた。
素材は「キャッシュウール」と呼ばれる長い繊維の羊毛でイタリアのゼニア・パルファ社のものだ。細く、長く、柔らかく、毛玉ができにくく、発色がいいと言われているようで多いに期待し、早速注文してみた。価格は某有名ブランドの定番タートルネックの約1/3。しかも、期間限定のお試し価格ということでさらに値引きされていた。しかもしかも、国産である。
届いたものは想像していたものとほぼ合致するもので満足。しかも(しつこい!)売り物のキャッシュウールで作ったと思われるカラフルな袋に入っており、同じ型の色見本(印刷ではなく実物の編地)まで同梱されていた。これならネットでは分からない微妙な色もわかり、注文するのに便利である。コツコツと真面目にいいものを供給しようとしている
姿勢が感じられて好感度大!であった。
ということで、今シーズンのタートルはその会社のもので決まり!となりそう。もっと寒くなったら、タートルの上から肌ざわりのいいウールのストールをぐるぐる巻いて元気にお出かけするのだ!と、膝の痛みがなくなって妙にハイになっている私は息巻いているのであった。