今日は仕事で某有名ベテラン歌手のコンサートに行ってきた。仕事でなければ自分からは決して行くことがないであろう場ではあったが、それゆえどんな経験ができるのか楽しみにして。
キャリアは今年で48年ということだから、立派な大御所である。もちろん、歌は上手い。また、様々な楽器を弾きこなし新しいジャンルへの挑戦にも積極的だと聞く。いわゆる演歌歌手、あるいは歌謡曲を歌う歌手として認知されている人だが、ピアノも弾けばコットンクラブでライブもこなすらしい。
一番驚いたのは、午後2時からはじまった昼の部が終わったのが午後4時過ぎで、小一時間休んでまた夜の部をこなす体力だ。途中トークやゲスト出演を少しはさむが、ほとんど歌いっぱなしである。しかも、弾き語りでさらりと歌うというような歌い方ではないので、1曲歌うだけでもかなりのエネルギーを消費しそうなのに。還暦をとうに過ぎているとは信じがたい。
もうひとつ驚いたのが、観客として着ていたファンの元気さ・・・を通り越して強引さ・・・も通り越してどこか横暴な雰囲気さえ感じさせるエネルギーである。
コンサートが終わると握手会が予定されているのを知っているのか、最後の曲を歌い終わる前にバラバラバラと席を立つ。終わり近くに設けられた花束やプレゼントを渡す時間にはステージ裾にわらわらと群がる。握手会では握手した手を放さずに係員にひっぱがされる。ケータイ写真はNGだと言われているのに強引に撮りそうになり、止められると食ってかかる・・・いやはや、凄まじいものなのであった。ファンのほとんどが高齢者。高齢者恐るべし!
ファンであるなら、握手会の列の先頭に並ぶよりも歌を最後まで聞くのがマナーではないのか、とも思うが、歌手ご本人は慣れっこなのかもしれない。
そういえば、電車の中でのケータイマナーについても、中高年の横暴が目立つ。一昔前は若者のケータイマナーの悪さが取りざたされたが、今やもっぱら目立つのは高齢者。マナーモードにせず、大きな音量で呼び出し音を鳴らすばかりか、平気で電話に出て長々と話したりしている。「今どきの若者は・・・」ではなく、「今どきのジジババは・・・」と言われても仕方ない。
握手会に殺到するババさんたちの群れに翻弄された私としては、静かに「自分はああはなるまい」と思うのみである。闘っても勝ち目はない。おお、こわ!