テレビドラマは滅多に見ないが、去年の秋(だったかな?)に放映された「不毛地帯」は見ごたえのあるドラマとして記憶に残っている。原作を読んだということもあり、毎週楽しみにしていたのだが見られない日、忘れていた日もあり全編を通して見ることはできなかったが。
先日TSUTAYAに行った時、ふと思い立って最後の3編を借りてきてその日のうちに見終えた。唐沢寿明という俳優は以前からおもしろい人だなと思っていたが、原作に登場する壱岐正のイメージにぴったりのような気がする。同じ原作者の「白い巨塔」の主人公・財前五郎に関しては、私の中では未だに田宮二郎のイメージが強い。しかし不毛地帯は今後またドラマ化されたとしても唐沢イメージをずっとひきずるような気がする。
毎回エンドロールで流れるトム・ウェイツの曲を聴くのも楽しみだった。採用されていた曲は「Tom Traubert's Blues」。
トム・ウェイツと出会ったのはだいぶ前で、デビュー版の「Closing Time」と「The Heart of Saturday Night」はLP版で持っている。後者はCDも持っていたはず・・・ということでさっそく探して聴いてみた。
ごみごみした裏町の、さびれた酒場の、そのまた奥のピアノにもたれて酔いどれた男がけだるく歌うブルース・・・というような雰囲気が大好きで、若いころはよく聴いたものだ。いまにも眠りこけてしまいそうな弱々しい声で「1、2・・・」とカウントした後で流れるピアノのメロディ。酒で荒れたようなしゃがれ声。「酔いどれ詩人」が紡ぐ、しがない暮らしの悲喜こもごも。あの雰囲気はトム・ウェイツならではのものだとあらてめて思った。
ミュージシャンの間ではトムのファンは多かったらしく(今でも?)、いろいろな人がカバーしており、たとえば「Tom Traubert's Blues」はロッド・スチュワートやボンジョビがカバー。キース・リチャーズも彼を高く評価したらしい。端役ではあるが味のある俳優として映画にも出ており、なんだかんだ言ってもかなり才能がある人だといえるだろう。
困ったことに、トムの曲を聴きはじめると何故だかウイスキーが飲みたくなる。他の酒ではだめで、とにかくウイスキー(^.^;)それも、できればロックで。
昨日はKさん、Sさんと早い時間から日本酒を飲み、ハイボールで〆たつもりが地元でまたビールというちゃんぽん飲みをしてしまった。二日酔いにまではならないが、なんとなくだるい。今夜はトム・ウェイツを聴かずにおこうかな。
*Tom Traubert's Bluesのライブ版はこちら。
*玉乃光酒造の直営「酒蔵」に行ったのは二度目。おいしかったです。