楽しみ?年々垂れ下がる一方なのに楽しみとはいかに!?
ではなーい!尻のことではなーい!そうそう、薔薇の実のこと。何故実がhipなのかは今のところ意味不明だが特にハーブとして使われている薔薇の果実は一般的に「ローズヒップ」と呼ばれている。語源はそのうち調べるとして・・・
年々原種率が高くなるわがベランダの大きな楽しみは、秋に色づくヒップの数々を見ることだ。一口にローズヒップといっても色も形も大きさも実に様々で、球形のもの、紡錘形のもの、壺のような形のものなど見ていて楽しいことこの上ない。
原種の薔薇はシングル(一重)やセミダブル(半八重)の花が多いから、ヒップが実るものが多い。結実の確率は多少差はあるが、たいていは実る。花びらが非常に多い栽培種の中には、雄しべが花弁化しているものがあり、これらは当然のように受粉しないから結実もしない。花は華麗で美しいが、ある意味においてはカタワなのである。
わが家で最も結実率がいいのは、意外なことに原種ではなくアルバ系のサッフォーだ。咲けば必ず実る。大きめの紡錘形なのでよく目立つヒップだ。ロサ・ダビディも割と結実率はいいようだ。自然界でのようなわけにはいかないが、昨秋はかなりの数を見ることができた。
ロサ・グラウカのヒップは非常に魅力的だが、今年枯らしてしまい新苗で再挑戦しているところなので今年はヒップを見ることができない。その代わりでもないが、グラウカのハイブリッドであるルイ・リールのヒップは見ることができそう。ミヤコイバラはまだ咲いているが、こちらも多いに期待したいところだ。ちょっと、ヒップができそうな薔薇をリストアップしてみよう。
・サッフォー(アルバ系)
・アルバ・セミプレナ(アルバ系)
・ロサ・ダビディ(原種)
・ロサ・スピノシッシマ・アルタイカ(ハイブリッド・スピノシッシマ)
・フォークランド(ハイブリッド・スピノシッシマ)
・レッドネリー(ハイブリッド・スピノシッシマ)
・ロサ・ブルノニー(原種)
・ヒリエリ(ハイブリッド・モエシー)
・ロサ・ユゴニス(原種)
・ロサ・プリムラ(原種)
・ロサ・バンクシアエ・ノルマリス(原種)
・ロサ・フェドチェンコアナ(原種)
・ミヤコイバラ(原種)
・ザ・ギフト(シュラブ)
・アビゲイル・アダムスローズ(シュラブ)
・シュネーコッペ(ハイブリッド・ルゴサ)
・テレーズ・ブニェ(ハイブリッド・ルゴサ)
このうち、ハイブリッド・ルゴサについてははじめて秋を迎えるので結実の確率は不明。特に、テレーズ・ブニェは八重咲きの大きな花を咲かせるルゴサらしくないルゴサで、結実率は低いようだ。
また、ヒリエリは親であるロサ・モエシーや仲間であるゼラニウムよりも結実率が低く(本にも書いてある)、暑さに弱いのか、まだ緑色のヒップが夏の間にほとんど落ちてしまう。寒い地方なら色づくまで残っているのかもしれないが、首都圏周辺ではちょっと厳しいかもしれない。今年は長い間咲き続け、たぶん100以上の花を咲かせたと思うが、さて、そのうちのいくつが秋までもつやら。
ヒップの楽しみには、見て楽しむだけでなく、ヒップ目当てに訪れる鳥たちに出会う喜びもある。冬の間も剪定せずヒップを残しておくと、メジロ、シジュウカラ、ジョウビタキ、ヒヨドリなどが食べにくる。
部屋の中で少しでも動くと警戒して飛び去ってしまうので、じっとしたまま彼等の様子を眺めるのだが、懸命にヒップを探しついばんでいる姿はなんともかわいらしい。