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日々の内側
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ヒップの楽しみ
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・・・去年の秋、近所の河原で見たノイバラのヒップ・・・

楽しみ?年々垂れ下がる一方なのに楽しみとはいかに!?


ではなーい!尻のことではなーい!そうそう、薔薇の実のこと。何故実がhipなのかは今のところ意味不明だが特にハーブとして使われている薔薇の果実は一般的に「ローズヒップ」と呼ばれている。語源はそのうち調べるとして・・・


年々原種率が高くなるわがベランダの大きな楽しみは、秋に色づくヒップの数々を見ることだ。一口にローズヒップといっても色も形も大きさも実に様々で、球形のもの、紡錘形のもの、壺のような形のものなど見ていて楽しいことこの上ない。


原種の薔薇はシングル(一重)やセミダブル(半八重)の花が多いから、ヒップが実るものが多い。結実の確率は多少差はあるが、たいていは実る。花びらが非常に多い栽培種の中には、雄しべが花弁化しているものがあり、これらは当然のように受粉しないから結実もしない。花は華麗で美しいが、ある意味においてはカタワなのである。


わが家で最も結実率がいいのは、意外なことに原種ではなくアルバ系のサッフォーだ。咲けば必ず実る。大きめの紡錘形なのでよく目立つヒップだ。ロサ・ダビディも割と結実率はいいようだ。自然界でのようなわけにはいかないが、昨秋はかなりの数を見ることができた。


ロサ・グラウカのヒップは非常に魅力的だが、今年枯らしてしまい新苗で再挑戦しているところなので今年はヒップを見ることができない。その代わりでもないが、グラウカのハイブリッドであるルイ・リールのヒップは見ることができそう。ミヤコイバラはまだ咲いているが、こちらも多いに期待したいところだ。ちょっと、ヒップができそうな薔薇をリストアップしてみよう。


・サッフォー(アルバ系)

・アルバ・セミプレナ(アルバ系)

・ロサ・ダビディ(原種)

・ロサ・スピノシッシマ・アルタイカ(ハイブリッド・スピノシッシマ)

・フォークランド(ハイブリッド・スピノシッシマ)

・レッドネリー(ハイブリッド・スピノシッシマ)

・ロサ・ブルノニー(原種)

・ヒリエリ(ハイブリッド・モエシー)

・ロサ・ユゴニス(原種)

・ロサ・プリムラ(原種)

・ロサ・バンクシアエ・ノルマリス(原種)

・ロサ・フェドチェンコアナ(原種)

・ミヤコイバラ(原種)

・ザ・ギフト(シュラブ)

・アビゲイル・アダムスローズ(シュラブ)

・シュネーコッペ(ハイブリッド・ルゴサ)

・テレーズ・ブニェ(ハイブリッド・ルゴサ)


このうち、ハイブリッド・ルゴサについてははじめて秋を迎えるので結実の確率は不明。特に、テレーズ・ブニェは八重咲きの大きな花を咲かせるルゴサらしくないルゴサで、結実率は低いようだ。


また、ヒリエリは親であるロサ・モエシーや仲間であるゼラニウムよりも結実率が低く(本にも書いてある)、暑さに弱いのか、まだ緑色のヒップが夏の間にほとんど落ちてしまう。寒い地方なら色づくまで残っているのかもしれないが、首都圏周辺ではちょっと厳しいかもしれない。今年は長い間咲き続け、たぶん100以上の花を咲かせたと思うが、さて、そのうちのいくつが秋までもつやら。


ヒップの楽しみには、見て楽しむだけでなく、ヒップ目当てに訪れる鳥たちに出会う喜びもある。冬の間も剪定せずヒップを残しておくと、メジロ、シジュウカラ、ジョウビタキ、ヒヨドリなどが食べにくる。


部屋の中で少しでも動くと警戒して飛び去ってしまうので、じっとしたまま彼等の様子を眺めるのだが、懸命にヒップを探しついばんでいる姿はなんともかわいらしい。


| - | 17:50 | comments(2) | - |
お経
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・・・猫の写真をしばらく撮っていない。梅雨前には撮りに行きたい・・・

伯父の七回忌、祖母の繰り上げ五十回忌の法事に行ってきた。祖母の方は再来年が本当の五十回忌なのだが、年々高齢者が多くなる親類のことを思い、本家跡取り(私と同年齢の従兄弟)が繰り上げて一緒に行うことにしたのだった。


最近、法要の席も椅子席になり助かっている。正座が苦手なので、内心「早く終わってくれないかなぁ」と思うのが常であった(けしからんヤツ)。痺れる心配もなくなったためか、はたまたそれなりの年齢になったためか、訳が分からないなりにお経を淡々と聞けるようになったな、と改めて思う。


私が今まで接したことがあるお経は、主に天台宗(母方)、浄土宗(父方)、そして曹洞宗(前夫の父方)である。それぞれ違うなぁと思うけれど、どこがどう違うのかを明確に指摘することができない。調べようと思ったが、調べはじめるとどんどん話が専門的になってきて面倒になってしまった(^.^;)


今日は母方の法要だったので天台宗。ひとつ気付いたのは、チン!と鳴らす仏具を多用するということだ。ほとんど木魚を使わない。参列者の焼香がはじまってから初めて木魚の登場となる。


父の法要(浄土宗)の時思ったのは、お経は歌のようだということ。浄土宗は般若心経は唱えないらしく、「南無阿弥陀仏」を何度も歌うように唱える。あ、「となえる」は「唱える」と書くのだから「歌っているように」聞こえるのは至極当然のことなのか・・・


曹洞宗の法要の時は、般若心経の「ぎゃーてい」がやたらと印象的だった。漢字で書くと「羯諦」で、般若心経の締めくくりである「諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶」の印象が強かったのだろう。


親類付きあいは苦手なのだが、母方の親類とは子どものころから接することが多かったこともあり法要にはできるだけ行くようにしている。同年の従兄弟が2人おり、顔を見るたびに「お互い年をとったなぁ」と実感。それほど遠くにいるわけではないが、法要でもない限り会う機会もない。90歳になった伯母も元気そうでほっとしているところだ。


しかし、法要に出て来る母の兄弟も、伯母、母のすぐ上の兄である伯父、母の3人だけになってしまった。今日七回忌を迎えた伯父の次の法要は六年後。その時も今日と同じ顔が集まるといいね、でもちょっと無理かもね、と従兄弟と小さな声で話した。淋しいことではあるが、それが人の世というものだろう。


こんな本を読んでみてもいいんだけど・・・

*しかし今日は肌寒かったですね。もう6月とは思えない。

*久しぶりにヒールのある革靴を履いたら足が痛い。帰宅したら攣ってしまった。

| - | 20:09 | comments(0) | - |
白鳥の王子
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・・・こちらは白鳥ではなくアヒル。近所の農家から逃げたのだろうか・・・


薔薇のことをいろいろ考えていた。いろいろな薔薇を育ててみると、花や葉だけでなく棘にもそれぞれの個性があるのがわかる。大きな棘。恐ろしいくらいびっしりついている棘。細くて華奢な棘。猛菌類の爪のように鋭い棘、赤い棘、半透明の棘・・・新しい枝の棘はどれも美しい。


ふと、子どものころ妹がクリスマスプレゼントに貰った絵本のことを思い出した。当時としては豪華な絵本で、各ページに金色や銀色が使われていたような気がする。あるいは、何という名前なのかわからないのだが、見る角度によって違うように見えるアレ・・・今でも見かけるが昔は菓子のオマケシールなどに使われていたアレ。


その絵本は、確か「白鳥の王子」というタイトルだったと思う。アンデルセンかグリムか・・・外国の童話でお姫さまが白鳥に変えられてしまった兄たちのために棘のある草で洋服を作る話。その棘のある草が「イバラ」だったような気がして調べてみたら、「イバラ」ではなくて「イラクサ」だった。


「イラクサ」は薔薇とは何の関係もなさそうな草で、茎に細かい棘がある。なんでも棘の基部にはアセルコリンとヒスタミンを含む液体の入った嚢(ふくろ)があり、棘に触れて嚢が破れ皮膚につくと痛いらしい。


植物の件は解決したのだが、原作についてはちょっとややこしいことが判明した。


アンデルセンの「白鳥の王子」(「野の白鳥」が原題か?)には11人の王子が出て来る。私のおぼろげな記憶では、王子は11人もいなかったような気がした。確か6人だったか7人だったか。そんなもんだったはず。


おかしいなぁと思っていたら、グリムにも「白鳥の王子」という童話があるらしい。しかし内容をみてみると、姫が兄たちのためにイラクサで服を作る話ではない。あれれ〜


さらに調べると、グリムには「六羽の白鳥」という作品があり、どうやらそれはアンデルセンの11羽が6羽になっただけのようなストーリーだ。とすると、私が昔読んだのは「グリムの『六羽の白鳥』」だったのだろうか?


数が違うとはいえ、アンデルセンとグリムが同じようなストーリーの話を書いたとは思えない。一体どうなっているんだ!と、ちょっと腑に落ちない気分である。どなたか詳しい方がいらっしゃったら、ぜひ教えてください。

| - | 19:30 | comments(0) | - |
朝陽の恵み
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昨日の話の続きにもなるが、植物を育てていると、朝の陽射しがいかにたいせつかを実感することが多い。これは最近気付いたことではなく、数年前まで山野草を育てていて気付いたことだ。


高山植物には手を出さないことにしていたが、平地の山野の草であってもひとたび鉢にとると繊細さを現すことが多い。踏まれてもめげず、風雨にも耐え、いかにも丈夫そうな草でも、どこか頼りなくなる。


これは私の経験上でのことだが、関東南部の平地の夏は植物たちにとってけっこう厳しい季節である。彼等は動くことができないから環境に対する順応性は高い。が、いきなり鉢に植えられ、育った場所とは全く違う環境におかれても平気なほど強くはないように思う。


とくに気をつけたいのが、目に見えている葉や茎ではなく、地中だ。鉢の中では土の温度が下がりにくいため、根が弱ってしまうのだ。だから、水やりは朝と夕方にし、日中は決してやらない。光は彼等にとって光合成のために欠くべからざるものだが、夏の光は地中温度を高くしてしまう。


山野草に理想的な夏の環境は、半日陰(午前中日が当たり、午後から翳る)だと思い、夏の午後は簾や葦簀で遮光して強い陽射しをしのいでいた。遮光すると風通しが悪くなるが、直射日光にさらされ続けるよりもいい。


しかし以上は山野草についてであって、薔薇はできるだけ日が当たるところがいいと思っていた。よく日が当たる、温暖な気候が薔薇にとって理想的な環境だと思っていたのだった。


今では、薔薇といっても品種により夏の暑さに弱いものがいくつもあることを知っている。北東側のベランダの薔薇の方が、南西側のものより気持ちよさそうにしているのを知っている。


朝目覚め、北東向きの仕事部屋に入る。まず目に入るのが、朝陽を浴びている薔薇たちだ。花は明るい方を向いて咲くので私から見ればそっぽを向いている。しかし、「ああ、朝って気持ちいいわね」とでも言っているような姿を見ると、こちらの気持ちも明るくなるというものだ。


目の前に遮蔽物となる建物がないので、座って外を見ると薔薇と空しか見えない。頬杖をついて、珈琲を飲みながら、モーツアルトを聴きながら、しばし朝陽の中の薔薇を眺める・・・そんな最近の習慣。朝陽の恵みを受けているのは、薔薇たちばかりではない。


*昨日の草ぶえの写真を、Walkin'にアップ

*京成の時より少なめ。なにせ明る過ぎて色が飛びっぱなし(T_T)

*もう5月も終わりかけている。来月は私用がいろいろ。

*公用(仕事ね)も忙しくなってほしいものである。

| - | 18:10 | comments(0) | - |
草ぶえの丘 2010春
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京成バラ園に続き、今日は草ぶえの丘に行ってきた。京成の時のように曇りを狙ったのだが、今度は見事にハズレ。まぶしいほどの陽光の下、厚着していったので汗をかきながら、2時間半ほど歩き回った。


草ぶえの場合、帰りのバスの時間があるので最後の方はいつも慌て気味になる。出だしをもっと早くすればいいのだが、ラッシュアワーにカメラを入れたデイパックを背負って電車に乗る気力がなくて。今日も売店でY氏と話し込んでいたら、バスの時間ギリギリに。小走りになってやっとセーフ。


草ぶえは京成バラ園よりも多く行っているが、やはり常に新しい発見がある。また、見る方の気分も毎回違うので、目に付くものが違うのだ。今日は原種のほか、先日京成ではほとんど見ることができなかったガリカや最近特に気に入っているモスをじっくり見た。


いくつか確認したいこともあった。2種類あるセブンシスターズの比較をしたかったのだが、奥の方に植えられている地味めの方(878)はほとんど花が咲いておらず。派手めの方(561)は去年よりも花が咲き進んでいた。


同じ名前なのにかなり違う。878のセブンは「ナナシマイ」と呼ばれているものと同じような気がしないでもないが、詳しく調べてみないと(私ごときが調べてもあまり信頼性はないが)わからない。


同じく2種類あったロサ・スーリエアーナは、どちらもすでに花が終わっている様子。残念・・・ロサ・ルブスはこれから咲くのか花は見当たらず。去年の7月にヒップを見たオオタカネは場所がわからなくなってしまい、ミヤコイバラはうちのとは違うような気がしてしばし悩み、帰りのバスに乗ってからモスカータを見忘れたことに気付き・・・といろいろ心残りもあった。


が、いいことももちろんあった。新たに気付いた品種がいくつかあって調べる楽しみをもらったし、このバラはこんなにきれいだったんだ!と思わせてくれるものもいくつか。昨日の雨で傷んでいる花が多い中、へベス・リップのなんときれいだったこと。わが家でも今年咲いたロサ・アルウェンシス・プレナがまたきれいで、株の充実具合や誘引に明らかな差があるから当たり前なのだが、来年は少しでも近づきたいと思った。


また、Y氏から、バラを植えるなら北東が一番いいという意外な話を聞き、北東側のベランダで育てている身としてはなんだか嬉しくなった。なんでも、きれいな色が長続きするそうだ。とくに白や黄色のバラは、あまり日当たりがいいとすぐに変色してしまうとか。紫系のバラは以前から北側の方がいいような気がしていたが、白や黄色もそうだったとは。


確かに花の数は少なくなるかもしれないが、繊細な色は南西側のベランダよりも北東側のベランダの方がよく出るような気がする。葉の傷みも少なく、うどんこ病にもなりにくい。


もう一つの収穫は、草ぶえの丘に植栽されているバラのリストを入手できたこと。A4サイズで50ページ以上になる充実した内容で、アイウエオ順に系統、色、作出年、作出者、別の名称、そして草ぶえのネームプレートに記載されている番号が一覧表になっている。これで、あとからいろいろ調べたり、次回行くときの課題を具体的に考えることができそうだ。


それにしても草ぶえの丘はやはり遠い・・・毎月のように行くバラの先輩に脱帽!


*行きのバスに乗り遅れて、仕方なくタクッた。1160円なり〜(T_T)

*バスよりも早く着くんだけどね。バスだったら100円だもんね・・・

*30代のころ吉祥寺で買った登山靴を履いていった。けっこうイケる!

*しかし、紫外線を思い切り浴びてしまったなぁ。

*写真は明日にでも散歩サイトにあげる予定。

*とりあえず、特に気に入ったものを薔薇記にアップ。

| - | 22:34 | comments(0) | - |
Ave Verum CorpusK.618
10-0526

確か以前にもこの曲について書いたことがあるが、言わずと知れたモーツアルトの傑作である。本当に傑作だと思う・・・というよりも、こういう作品が傑作なのだと聴く度に強く思う。


この曲は、気分が上昇している時よりもむしろ、気鬱気味の時に聴きたくなる。慰めを求めているわけではないが、重く滞った不安や自己嫌悪やその他もろもろが、美しい調べによってさっと洗われるような気がするからだろうか。


わずか46小節。体調もかなり悪かったであろう最晩年の作品。妻コンスタンツェの療養を世話してくれた合唱指揮者、アントン・シュトルのために作曲したと言われる。


モーツアルトは「魔笛」などの大作を書き上げ、6月17日にこの曲を仕上げ、直後にあのレクイエム(K.626)に着手し、同年12月に他界。なんだか自分の死を悟った上で作られているような気がしてならない。ケッヘル番号が「618」と私の誕生日と同じだということもあり、妙な縁を感じている。


私はあと何回、目を閉じてこの曲を聴くのだろう。



Ave verum corpus natum 
de Maria Virgine:
Vere passum,immolatum 
in cruce pro homine:

Cujus latus perforatum 
fluxit aqua et sanguine:
Esto nobis praegustatum 
mortis in examine:
| - | 16:45 | comments(5) | - |
「青いバラ」再読
10-0525

ふと気になってやっと見つけ出した「青いバラ」を再度読んでみた。まず感じるのは、やはり渾身のノンフィクションというフレコミは大げさではないということだ。巻末の参考資料ももちろんだが、実に様々な人に会い、幅広く的確な取材をしていると思う。


内容について書くつもりはないが、たぶん何度読んでも一番印象に残る言葉は、この本の縦軸として筆者が7回面会し取材したミスター・ローズこと鈴木省三氏の言葉である。


「青いバラができたとして、それが美しいと思いますか?」


最初の面会の時、鈴木氏の口から出たこの言葉は、反語のようにも聞こえる。しかし、実際のところはそう単純なことではないだろう。鈴木氏もかつては青いバラを作ろうと熱心に研究していたことがあるのだから。だからこそこの言葉は、筆者の中で最後まで反響しつづけた言葉だったように思われる。


青いバラができたとして、それが美しいと思うかどうか・・・それは個人の感覚に拠る、といっては元も子もないだろう。


西洋では「不可能」を意味する青いバラに情熱を傾け真摯な研究を続けた、あるいは続けている科学者たちの存在を「美しくない」という言葉の元に切り捨てることはできない。アマチュアでありながら、青いバラ一辺倒の交配を続けてきた小林森治氏のひたむきさ

も、人間の行為として尊敬に値するものだと思う。


しかし。ごく個人的な意見を言えば、私はやはり青いバラができたとしても、それを美しいと思わないだろう。頭の中で、様々な品種のバラを思い描き、その色を様々な青に変えて見ても一向に美しいと思えないのだ。


何をもって「青」とするのか。サントリーの青いバラ「アプローズ」は、本来バラには含まれていない青色の遺伝子が人間の手で入れられている。科学的な観点からいえば、青色の遺伝子があるなら青いのかもしれない。が、私はやはり自分の目で見て青いと思わなければ

青いバラではないと思っている。ゆえに私はそれを青いバラとは認め難い。


ワスレナグサはワスレナグサだからこそ、ツユクサはツユクサであるからこそ、ヘブンリブルーはヘブンリブルーであるからこそ、青く美しい花だというのが私の感覚だ。


もうひとつ印象的な内容を上げるなら、日本における育種の先駆者であったミスター・ローズが、晩年は原種に還ろうとしていたことである。バラにすべてを捧げたような長い人生の果てに、「まだ見過ごしていることがあるかもしれない」と思うその情熱と、情熱が向かう先が青いバラとは対照的な原種であったことに何故か私は感動する。


*アプローズの値段、ご存知?

*2800円台〜3600円台といったところ。もちろん1本ですよ。

*ある販売サイトの「ご注文についてのご注意」がふるっている。 

*いわく「やや紫に近いお色でございます。真っ青ではございません」

*ていうか、ややではなくて、正真正銘の紫だと思うんだけどなぁ。

| - | 17:46 | comments(2) | - |
京成バラ園2010
10-0524

PHOTO WEEKを挟んでしまったので後回しになってしまったが、先週水曜日(19日)に京成バラ園に行ってきた。記憶が薄れないうちに、覚書の意味もこめて書いておこうと思う。


毎年行くバラ園は、京成と草ぶえの丘の二ヶ所だけだが、いつ行っても新しい発見がある。じっくり見ているつもりでも見落としていることも多々あるし、バラ園の方も年々変化している。むしろ、常に新しい発見があるから、毎年行く楽しみも大きい、ということにしておこうか。


去年京成に行ったのは5月28日だった。この日は雨が降ったり止んだりで、途中まで傘を差しながら見て歩いた記憶がある。見て歩くだけなら傘を差したままにするところなのだが、写真を撮るとなると鬱陶しい。で、途中からは傘なしで濡れながら歩いた。


今年はイングリッシュローズのコーナーを過ぎて原種が植えられている辺りに差しかかった時雨が降り始めた。小雨だったので、今年は傘を出さず早足で・・・カメラさえ守れればゆっくり見るのだが・・・雨の日の対策を考えなくては・・・


困ったのはむしろ雨よりも風で、枝が細いガリカなどは倒れ伏すようになっていて花はほとんど見ることができなかった。いい感じで枝垂れているつるバラも、枝が大きく揺れて止まらないので撮りにくいことこの上ない。その優雅な姿を記憶に留めるため、しばし立ち止まって見つめつづけるしかなかった。以下覚書。


●総合的な感想

入場料を払う時、まだ満開ではないということで割引券(入場料800円で割引券500円!が、6月末まで。来月もう一度行くのは無理かも〜(^.^;))をくれたが、ひととおり回った印象ではけっこう咲いていたように思う。遅咲きの原種はさすがに咲いていなかったが、中央のハイブリッド・ティは花盛りだったし、イングリッシュローズも見事に咲いていた。去年はちょっとがっかりしたルゴサたちが元気に育っていたのが嬉しかった。ティーローズのコーナーはまだ新しく、柵の外からしか見られないのが残念。これからが楽しみだ。


●改めて見直したバラ

(1)R.maikai(マイカイ)

漢字では「玫瑰」と書き、「ハマナス」と読ませることもあるようだが、ハマナス(R.rugosa)とは別物だと思う。このあたりのことはバラの先輩たち(potatoさんのんのんさん)が詳しく調べられており、そちらを参考にしていただきたい。私としては、どう見ても別物。ルゴサの仲間であることは確かだろうが、葉がすらりと細めでルゴサ特有の深い葉脈があまり目立たない。枝ぶりもやわらかめである。今回京成バラ園で見たマイカイは、本当にきれいで見とれてしまった。大きく育て、しなる枝先に花を咲かせると魅力が増すように思う。深みのある赤紫色の花は他のハイブリッド・ルゴサにもあるが、枝ぶりと葉が特に気になる私としては、このバラが一番好きかもしれない。

(2)Mme. Georges Bruant(マダム・ジョルジュ・ブリュアン

こちらもハイブリッド・ルゴサ。ふわりとした純白の花がいい。大きくなるバラなので育てられないが庭があったらぜひお迎えしたいバラである。白い花を咲かせるハイブリッド・ルゴサは他にもいろいろあるが、全体的な雰囲気でいうとこれかな?

(3)Cecile Brunner(セシル・ブルナー、セシル・ブルンネ)

古いポリアンサでシェル・ピンクの小さめの花が房咲きになる様子が可憐。今回京成バラ園で見たものはクライミング・タイプのものだったが、とても見事に咲いていた。以前持っていたのだが、カイガラムシにやられて弱り、結局枯死。鉢植えでも育てらえるコンパクトなバラで機会があったらまた手元に置きたい。

(4)Champneys Pink Cluster(シャンプニーズ・ピンク・クラスター)

ブラッシュ・ノワゼットなど多くのノワゼットローズの先駆け的な品種だが、すらりとのびる枝、やさしいピンクの花は古いものの良さを改めて教えてくれるような気がする。ノワゼット系のバラは好きなものが多いが、こちらもそのひとつ。


●新たに魅力を発見したバラ

(1)一重のイングリッシュローズ

イングリッシュローズは花が見事に大きくて、ちょっと引いてしまう。広い庭の中ならまだしも、我がベランダだと不自然な気がして最近はあまり見ることもなかった。今回もざっとしか見なかったが、去年草ぶえで見ていいなと思った「ジ・アレキサンドラ・ローズ」や、新しい品種である「キュー・ガーデン」はいいなと思った。「キュー・ガーデン」は売店にもあったが、新しい品種だからかさほど大きくない鉢植えが8000円!こちらは、値段に引いてしまった(^.^;)

(2)モス・ローズの数々

どういうわけか、これまでモスローズがきれいに咲いているところにあまり出会わなかった。写真ではいろいろ見ていて、気になる品種は多いのだが。今回はShailer's White Moss(シェイラーズ・ホワイト・モス)に一目惚れ。R.centifolia muscosa(ロサ・ケンティフォーリア・モスコーサ)もコモン・モス(モスの標準?)と呼ばれているだけあって堂々のモスぶり。Deuil de Paul Fontaine(ドゥイユ・ドゥ・ポール・フォンテーヌ/ポール・フォンテーヌの喪服)の深い色にもうっとり。


●残念だったこと

(1)ラ・モルトラを見つけられなかった。

去年行った時は、確かハイブリッド・ティの近く、ポール仕立てであったように思ったのだが。どこかに移動したのか・・・去年は雨で花が傷んでいたので、ちゃんと見たかったのに・・・

(2)ロサ・ダビディがない!?

見落としたのかもしれないが、心当たりの場所を探してもない。去年もかなり小さくなっていたので弱ってしまったのか。バラ園のリストには入っている。係員に聞こうとも思ったが、それらしい人がいないのであきらめた。今度行った時に確認しなくては!ここのダビディは、うちのとはちょっと雰囲気が違うのでもう一度見たいと思う。

(3)名札の統一感がない。

これは今にはじまったことではないが、カタカナ表記だけのものが多く見受けられる。作出国まで表記してほしいとは思わないが、せめてアルファベット表記と併記してほしいもの。


まだまだあるような気がするが、とりあえず今日のところはこの辺で。

| - | 09:03 | comments(2) | - |
PHOTO WEE K<モノクロの花 7>
10-0522

1週間連載しながら、モノクロの花について本腰を入れようという気持ちが高まってきた。

思えば、今までもそういう気持ちはあったのだ。たとえば、これ。桜についてはこれこれ。

断片的ではなく、もっと意識して、もっと集中して、もっと・・・そんな気持ちが湧いてきたことを嬉しく思う。

*忘れられたころに、猫ブログ更新(^.^;)
| - | 08:16 | comments(0) | - |
PHOTO WEEK <モノクロの花 6>
10-0521

色が感じられること。温度が感じられること。香りが感じられること。風が、湿度が・・・
課題は山ほどある。
| - | 05:09 | comments(0) | - |
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