2007.09.30 Sunday
工房まる
・・・以前にも登場したことがある傘がバカに多い家。今日使われたのはどれ?・・・
いつも楽しみに訪れているPING MAG-東京発「デザイン&ものづくり」マガジンで、福岡県にある福祉作業所『工房まる』を知った。
9月13日付の記事によると、工房の施設長である吉田修一さんは大学で写真を学んでいた方。卒業制作のテーマとして養護学校を選び撮影を続けていくうちに障害のある人たちを取り巻く環境に大きな疑問を持つようになったそうだ。
差別してはいけない、といいながら一線を引かれている所謂健常者と障害者の間にある溝。障害者を理解したいと頭では思っていても感情的な戸惑いを感じてしまう現状。それらを解決するためにはどうしたらいいか・・・その答えが障害のあるなしに関係なく自由に交流を図ることを目的とした『工房まる』だ。
この話を読んだ時、私はあることを思い出した。
息子が4年生まで通った小学校は養護学校と隣接しており、日常的な授業だけでなく
運動会などでも養護学校の生徒たちとの交流を図っている。はじめて養護学校の生徒と面と向かった時、息子はかなりショックだったようだ。気分が悪くなり保健室に行ったという。
その話を聞いた時、私はもっともだと思った。感受性が強い子供であれば、カルチャーショックのようなものだっただろう。差別してはいけません、というのは簡単だがそれは大人のきれい事に過ぎないような気がしたので話を興味深く聞くだけにしておいた。息子は息子なりに保健室に行くことになってしまった自分を責めているようだったので、だまって見守ることにした。
そういった交流を何度か繰り返していくうちに、その時の話をする息子の表情が明るくなってきた。○○ちゃんと友だちになった、などと言うようになり、身体が不自由なその子の動作や口癖を真似してみせたりするようになった。それは決して揶揄ではなく、ユニークな友だちの楽しいところを私に伝えようとしているだけで、そこに差別する気持ちは全くなかったと思う。
実際にふれあい、始めは戸惑っていた気持ちが自然に変化していくことが大切なのだ、とその時痛切に思ったことを、『工房まる』の記事で思い出したというわけだ。
『工房まる』のサイトでこの工房について以下のように説明されている。
工房まるは心身に障害のあるメンバーが通う、福岡市南区野間にある無認可の福祉作業所です。メンバー全員が安定した生活を送ることができるように。
『まる』ではかれらの個性とふれあい、日常的な生活をケアすると同時に、社会の中でそのチカラを活かせる仕事や役割を見出すことを目標にしています。絵画や陶芸といったメンバーの創作活動、作品の販売、ライブや食をテーマにしたイベントなどなど。
工房まるでは障害のある人もそうでない人も、年齢や仕事のジャンルさえも関係なく、いろいろな人々が集まり、思い思いの疑問やその解決策について話し合う時間も増えてきました。
こうした集いの中からすくい上げた何気ない日常の会話を軸に、工房まるは内外のみなさんと意見やアイデアを交換し合い、社会のちょっとした価値観を心地よく変えるアイデアを楽しみながらカタチにして、新しい選択肢をつくっていこうと考えています。
社会のちょっとした価値観を心地よく変えるアイデアを楽しみながらカタチに・・・いい言葉だと思う。この工房に託した思いがやさしく伝わってくるではないか。福岡ということでそう簡単に行けるところではないのが残念である。もう少し近ければぜひ行ってみたいのだが。
この工房ではメンバー(工房に通う障害者をここではメンバーと呼んでいるそうだ)が作ったものを販売している。動物のオブジェあり、ポストカードあり、で見ているだけで楽しい。私もいくつか注文した。届くのを楽しみに待っているところである。
*PING MAGを知ったのは亡きTさんのブログだった。
*価値ある情報をさらりと紹介してくださっていたな、とあらためて思う。
*今日も雨。そして肌寒い。一日中家で過ごした。
*昨日の夜は快気祝いをかねて地元の『へちま』へ。
*相変わらず美味しかったです。ちょっと飲み過ぎたけど(^.^;)
*さて、明日はスタジオだ。気合いをほどほどに入れよう!
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