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<< 私写真 | main | PHOTO WEEK・・・雨と雨のあわいに<1> >>
水の器

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関東地方も梅雨入り。と同時にはっきりしない天気がしばらく続きそうだ。この湿度の高い、暑いんだか肌寒いんだかわからなくなるような陽気は決して快適とはいえないが、それでも雨にしっとり濡れた木々やあじさいの花を見ると気持ちが落ち着く。自分が生まれた時季でもあり、典型的な日本人的感覚を持っているからかもしれない。

 

昨日遅くまで遊び歩いていたせいか、雨模様の朝の寝起きは少々だるい。明け方両足が攣ったのは思っている以上に冷えたからだろう。しかし、どういうわけか多少感じる身体の重さも不快ではなく、あとでぬるめのお風呂にでも入ろうかななどとのんびりしたことを考えている。

その前に、雨が降っていなければ近所のあじさいを見に行くのもいいかな。カメラを持って。あじさいの花を撮るなら雨上がりの曇りの日が最適だと思う。まずは、ベランダに出ると見える植え込みのあじさいに挨拶でもしようか。遠目で見る青、紫、赤紫の花は宝石のようだ。

 

あじさいの語源はいろいろな説があるようだ。もっとも有力とされているのは、「藍色が集まったもの」を意味する「あづさい(集真藍)」が転じたもの、ということらしい。日本古来のあじさいは藍色(青)が多かったのだろう。あじさいは土のpHによって花の色が変わることで知られているが、酸性土壌では青、アルカリ土壌では赤(ピンク?)となる。日本は酸性土壌が一般的だというから、昔から青い花が多かったのかもしれない。最も現代では人為的に土の成分を調整することができるから、むしろ昔ながらの真っ青なあじさいを見る機会は減ったような気がする。

 

漢字では「紫陽花」と書くが、これは唐の詩人であった白居易が多分ライラックに対して付けた名で、平安時代の学者・源順がこの漢字をあじさいに当てたことで誤って広まった・・・などという話もあるようだ(wiki)。

 

学名の「Hydrangea」はギリシア語で「hydro」=「水」と「angea」=「(小さな)器」から。水を好むことからつけられた名前だ。これは今まで知らずにいたのだが、「水の器」とはいかにも似つかわしいと命名したいにしえの人の感性に感動すら覚える。

 

山梨に住む友人の庭では、様々なヤマアジサイがきれいに咲きそろっているだろう。小型の楚々とした品種が多く、落葉樹とバラと山野草が渾然一体となった彼女の庭には、ヤマアジサイがとてもよく似合う。遊びに行くと言っていたのに、なんやかやと時間が作れずにいるが、かつて何度か見たその庭の光景を思い浮かべてうっとりした気分になったりしている。

 

最近、白いあじさいが好きだという人がいて何故か嬉しくなった。あじさいというと青というイメージが強いが、花は白を最上とする私からすると白いあじさいも捨て難いと思っていたから。数としては青、紫、赤紫、ピンクに及ばないが、6月の緑の中で咲く白いあじさいは清冽さにおいては一番だと思う。白という色は何色にも染まる色だが、考えようによっては何色かに染まることを凛と拒んでそこにある色なのかもしれない。

| - | 08:43 | comments(0) | - |









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