昨日の夜、息子が彼女を連れてやってきた。高校時代から何度か付き合っている女の子を連れてきているので「何人目?」という感じだが、今回は結婚を前提に付き合っており、半分同棲しているらしい。らしい、というのは頼りないように見えるかもしれないが、独立している27才の息子の行動をいちいち把握している方がおかしい。
すでに相手の家には挨拶に行ってきたようで、年内に私と家人に会わせたいと思っていたらしい。22才で独立してから、ほとんどすべてを自分で決め、苦労しつつ解決してきたことを思うと、自立できて本当によかったと心から思う。息子と同じくらいの年齢でも、まだ親の脛をかじっていたり精神的な独立ができていなかったりしているのは珍しい話ではない。つい先日も妹の友人の息子が社会とのつながりを持てずに苦労しているという話を聞いたばかりだ。
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はじめて会ったので、どんな女性なのかまだほとんどわからない。同じ年齢だとのことなので、社会経験もある程度あるだろうし、息子とのやりとりを見ていてもごく自然な感じだったので結婚まで順調に暮していって欲しいと思う。まあ、いつ何があるかわからないけれど。
何故彼女と結婚しようと思ったかは聞いていないが、おそらく話が合うとか共感することが多いとか(彼女のご両親も離婚したようだ)、そんなところなのではないかと推測している。結婚する理由なんてそんなものでいいのではないかと思う。軽く見ているわけではなく、結婚は継続していくことの方がずっと大変だからだ。結婚の条件をあれこれ厳しく設定したからといって、その後幸せになるとは限らない。勢いのみで結婚したように見えて、その後ずっと仲良く暮している夫婦はいくらでもいる。
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最近、JPモルガンのCEOと彼のフォーラム掲示板(?)で質問をした某美女との遣り取りをとりあげた記事を見かけた。自分のとても自信がある美女は、年収50万ドル(4000万円)以上の男性と結婚したい、そのためにはどうしたらいいのか、と質問したらしい(記事は、こちら)。
その質問に対するCEOの答えが秀逸であるとネットで盛り上がっているという。CEOいわく、ビジネスマンの視点にたって判断するとあなたと結婚するのは悪い判断である、あなたのやろうとしていることは、自分が持っている「美」と相手の「金」との交換だが、「美」がそのうちなくなってしまうのに対して「金」はそうともいえない。10年後あなたが持っている「美」の価値はかなり心配すべきなので、50万ドル稼ぐような人はバカではないからあなたを「長期保有」したいとは思わないだろう。金持ちと結婚する方法を探るより、自分自身が50万ドル稼ぐ人になる努力をする方がずっとチャンスがあると思う・・・云々。
本当にCEOが答えたのかどうかは別にして、まあまともな考え方だと思う。
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一昔前、「三高」なる言葉が流行った。女性たちが結婚に望む条件で、高学歴・高収入・高身長のことをいう。そんな男性を求めてあくせくしていた女性たちの話をよく見聞きしたし、マスコミなどもこぞってとりあげていたと記憶する。
バブルがはじけ、不景気が続く中で女性たちの望みも現実的になったのだろうか。安定志向がかなり強くなっているようだ。株式会社パートナーエージェント(婚活支援会社?)が行った調査(20代後半から30代前半の独身女性1897人対象)では、結婚相手に求める条件は「三NO」らしい。
1位は「優しい」という漠然としたものだが、2位以下は「暴力しない」(妙な言葉だが)、「借金しない」「浮気をしない」など「・・・しない」が高い比率を示しているという。結婚に当ってはリスク要因ができるだけない人がいい、ということだろうか。
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結婚の条件も時代とともにどんどん変わって行くのだろう。しかし、2人の人間が関係性を深めていく過程はいつの時代も「やってみなければわからない」し、ある程度理解していたつもりの人に全く違う面を見ることも人間の複雑さを思えば不思議ではない。
また、「結婚しなければ一人前ではない」といった考え方も昔に比べたらだいぶ少数派になってきたのではないか。結婚による様々な苦労から学ぶことは多いが、学び取る力は結婚を通してのみ養われるわけではない。既婚未婚問わず、自分の人生は自分だけのものだ。どのように生きていきたいかさえしっかり考えていれば、それでいいような気がする。