CALENDAR
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< December 2017 >>
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
SELECTED ENTRIES
RECENT COMMENTS
ARCHIVES
MOBILE
qrcode
LINKS
PROFILE
OTHERS

Interior

日々の内側
copyright sumigon all rights reserved
<< 絵のチカラ | main | ニンジャ! >>
地獄絵ワンダーランド

17-0811-1.jpg

5日間続けて原爆に関する記事を書いた後で「地獄絵」とは!と顰蹙を買うかもしれないが、とりたてて特別な意図はないのであしからず。家の中でずっと原爆について読んだり見たりしていると、どうにもこうにも気持ちが鬱屈してくるので、気分転換もかねて行ってきた。

展覧会というのは企画によって様々な見せ方ができて、もちろん苦労はあるのだろうが企画立案はなかなかおもしろい仕事なのではないかと思う。一人の作家の作品を展示するにしても、ただ時の流れに従って並べればいいというわけでもあるまい。どのような切り口でどんな作品を展示するか・・・腕の見せ所である。

今回見に行った「地獄絵ワンダーランド」は、恵心僧都源信の「往生要集」以来様々なかたちで描かれ、伝えられてきた地獄絵(六道絵、十王図などなど)を一同に集めたもので、開催時期が子どもたちの夏休みと重なることもあって親しみやすいよう工夫されている。水木しげるが描いた「水木少年とのんのんばあの地獄めぐり」の原画も展示されていた。

私が特に気に入ったのは、図録の表紙にもなっている八曲一隻の「十王図」、「地蔵・十王図」と木喰作の「十王座像」である。「十王図」は江戸時代のもので最近“素朴絵”と呼んで見直されているヘタウマ系の絵だ。閻魔大王に代表される地獄の十王がちっとも怖くない。どこか剽軽で愛すべき存在に思えてくる。裁かれている人たちもあまり苦しそうではない。腕や足が切られて宙を飛んでいたりするのに悲惨な印象が全くといっていいほどない。おそらくこれらの絵は地獄の恐ろしさを伝えて宗教心を起こさせることが目的ではなく、「一口に地獄といってもこんなにいろいろあるんだよー」てなことを誰にでもわかりやすく見せようとしたものではないだろうか。天下泰平の江戸時代の作品ならではなのかもしれない。

木喰の「十王座像」も怖くない。一応怖い顔をしている王もいるのだが、怖さの奥に優しさが見える。木喰の作風そのままで実に愛すべき十王たちなのだ。こんな王たちに「こら!おまえ!いいかげんにせい!」と叱られたら素直に従いたくなる。

山東京伝の「一百三升芋地獄」(擬人化された芋たちが落ちた地獄を鎌倉時代の豪傑・朝日奈三郎義秀が巡る)は黄表紙らしい諧謔に富んだ作品でかなり面白そう。山東京伝や黄表紙については最近興味を持ちはじめたところでナイスタイミング!耳鳥斎(にちょうさい・江戸時代の大阪で活躍した絵師)の「地獄図巻」も自在な筆遣いとユーモラスな表現が愉快な作品だ。序文に「世間の人々が賢くなり地獄を怖がらなくなったことを憂い、悪行を滅するため本図を制作した」ことが記されているらしいのだが、はてさて制作意図は通じたのであろうか。少なくともとことん楽観的でおちゃらけ大好きな江戸っ子たちは単純におもしろがったのではないだろうか。

人間というのは因業なイキモノで様々な「業」に逆らえずに生きているといっても過言ではないと思う。そして、そんな人間たちには「天国はこんなにステキなところです。よいことを重ねて行えばあなたも天国に行けるかもしれません」と言うよりも、「地獄はこんなに怖いところなんだぞ。悪さをして悔いることもなければ、この地獄の中のどれかにおまえはきっと行くことになるぞ。覚悟はできているのか?」と言い方が数倍効果的であるような気がする。

等活地獄、黒縄地獄、衆合地獄、叫喚地獄、大叫喚地獄、焦熱地獄、大焦熱地獄、阿鼻地獄と地獄は8つの大地獄に分けられ、それぞれ16の小地獄があるんですのよ、奥様。怖いですわねぇ。

17-0811-2.jpg木喰が掘った閻魔様。怖くない。

17-0811-3.jpgミュージアムショップで買ってしまったいったんもめんの手ぬぐいと「いったんメモ」(^^;)

| - | 09:35 | comments(2) | - |
おそらくほとんどの人は自分が地獄に落ちるワケがないと内心思っているからこれらの地獄絵図を観ても怖く感じないのかもしれませんが、わたくしなどきっと地獄生きだろうなあ…と常々思っている人間からすると、たとえ絵の表現に臨場感やリアリティがなく、どことなく優しささえ感じる絵図にさえ恐怖を抱いてしまいます。いや、むしろ優しさなど出されたら尚更…苦笑
妖怪も科学で説明出来て、怪奇現象のほとんどの理由が暴かれた現代において、いったいどのくらいの人が天国や地獄を信じているかわかりませんが、昔の人々はそういった説明も解明もなく、情報すらなかったワケですから、現代人よりはるかに想像力や感受性が豊かだったのではなかろうか?
よって、どこかコミカルな表現の地獄絵図ですら当時の人々の目には相当なインパクトでもって印象に残ったのではなかろうかと想像致します。
そういった意味ではなにも描かれたものが残虐非道、貪虐兇穢、血も涙もない鬼畜の姿である必要性はなかったかもしれません。

最近は悪さをしたり、夜なかなか寝ない子をビビらせるために地獄の鬼が声を張り上げて「こーらー!いい子にしない子供はどこだー!捕まえて喰っちゃうぞ〜!」とおしゃべりする動画アプリがあり、それを聞き見した子供たちは震え上がり泣き喚き、おとなしくなるそうでなかなかの効果を発揮して、親御さん助かり助かりといった便利なものもあるようですね。
いつの時代も子供たちは想像力たくましいですなあ。
| Godspeed | 2017/08/11 10:48 AM |
*Godspeedさん

そうかもしれませんね。地獄があるかどうかはわからないにしても、
みんな漠然と自分は大丈夫だと思っているところがあるのかも。
昔は今よりもずっと情報が少なかった分、自然の様々な現象に対して敏感だったと思います。不思議な体験もたぶん数々経験したりしていて、目に見えぬ恐ろしい力があるらしきことは肌で感じていたのかもしれません。
それが「神」なのか「仏」なのか「鬼」なのか「悪魔」なのかわかりませんが、人知を超えるものへの畏怖の念は誰しも持っていたのかもしれない、なんて思います。

また、今よりずっと生活は厳しく、戦争つづき、飢饉続きなどですがるものを求める気持ちも今以上だったでしょうね。

今の子どもにも「悪い子いねが〜!」は効き目があるんですね。
そういえば、息子が小さかったころ、単純なオバケの絵でも描くと
怖がりましたっけ。いろいろ想像しちゃうんでしょうね。
| すみごん | 2017/08/12 3:15 PM |









SPONSORED LINKS