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「星三百六十五夜」

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家人が読みはじめた「星三百六十五夜」(野尻抱影著。春夏秋冬の4分冊。中公文庫)を借りてゆるゆると読んでいる。1冊1冊は薄くてさっさと読めそうに見えるが、とてもとても。じっくり味わいながら、時には調べながら読まないとこの本の良さはわからないだろうし、そもそも内容が読み飛ばすことができるものではない。現在「夏」を読み終えて「秋」を読みはじめようとしているところだが、全て読み終わるのはいつになることやら。他の本2〜3冊と平行読みしているのでなおさらのことである。
                                                                                   
「星三百六十五夜」は星についてのエッセイ集である。たとえば「夏」は6月1日にはじまって8月31日まで毎日日記のようなかたちで綴られている。その季節に見ることができる星座の話が中心になるのだが、かつての思い出、知人・友人の話から漢詩、古代ギリシア・ローマ時代の詩の話など幅広い話題が展開され、著者の教養の深さを実感する。
しかし著者に衒学的な趣味はない。さらりと気持ちの赴くまま、頭に浮かんだ記憶をなつかしむように淡々と書かれている。とはいえ、星についての基本的な知識があるとないとではこの本の味わい方も違うだろうと思う。家人は私よりずっと星については知識があるので、ゆっくりじっくり読んでいるようだ。
著者の野尻抱影さんという方は、天文好きなら誰でも知っている方なのかもしれない。プロフィールによると・・・
神奈川一中時代、獅子座流星群の接近以来、星の虜になる。早稲田大学英文科卒業後、教職、雑誌の編集に携わる一方、天文書多数を著述。生涯を通して星空のロマンと魅力を語り続けた。わが国における天文ファンの裾野を広げた功績は大きく、「星座の抱影」と称される。冥王星の命名者としても知られ、小説家、大佛次郎の実兄でもある。
                                                                                    
なるほど、漢詩やギリシアの詩などは出てくるものの文章は平易で読みやすい。著書に「日本の星 星の方言集」があるが、各地を旅してその地特有の星の呼び方などの話も出てきて興味深い。漁師や農夫など自然を相手に暮す人々は昔から星を頼りに生活してきたことがよくわかる。星を見ながら気候を予想し、生活の様々な場面で活かしてきたということを知ると、星についての知識はロマンというよりも生きるためになくてはならないものだったのだと思えてくる。
あまりにも自分の知識のなさにあきれ果てたので、少しは星について学ぼうと思い子ども向けの本を1冊買ってみた。「パノラマ版こども星座図鑑」だ(^^;)。私のレベルではまずこれくらいのものの方がとっつきやすい。星座早見盤も付録でついている。
プラネタリウムにも行きたくなってきた。昔は渋谷の東急文化会館(今のヒカリエがあったところ)にプラネタリウムがあったのだが。そのうち行きやすいところを探して行ってみたいと思っている。

| - | 05:59 | comments(2) | - |
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