かなり久しぶりに山野草の展示会では最大と思われる「日草展」に出かけてきた。たぶん5年以上行っていなかったと思う。きものが縁で仲良くなった友人が山野草も好きだということを知り、彼女を誘って。
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山野草との付き合いはけっこう長い。途中途切れた時期もあったが、育てはじめたのが30歳前である。子どものころから植物好きでカラー版の図鑑やポケット図鑑を持っていた。雑草と呼ばれる草たちに親しみを感じ、どこで何か咲くかけっこう覚えていたように思う。そうした志向がもともとあったためなのか、一般的な園芸植物よりも愛着を感じつづけている。
思えばいろいろ育て、いろいろ枯らしてきた。石につけてみたり、寄植えしてみたり・・・草物盆栽風が最も好みに合っているが、小さい鉢の中で草を盆栽風に育てるというのはけっこう難しい。浅い鉢は水切れしやすく乾燥しやすいベランダでは夏よりも冬に枯らしてしまうことが多かった。
枯らしてしまった草たちへの申し訳なさはあるのだが、それでもまた新しい苗を買ってしまう。懲りないヤツなのである。
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「日草展」では山野草愛好家が丹精込めた作品の中から受賞したものを中心に展示されている。さすがに、どれもこれも立派なものばかりでさぞかし気を配ってきたことかと想像される。びっしり花がついた作品などを見ていると、肥料はどれくらいやっているのだろうか、日照は十分なんだろうなぁ、とか、栽培方法が聞きたくもなる。
上の写真はアツモリソウだが、基本種よりもほっそりしていて色もグリーン系だった。私の好きなタイプの色で、東洋蘭はいいなぁとあらためて思った次第。洋蘭にはほとんど興味がないのだが、春蘭、エビネ、セッコク、カキランなど東洋蘭は渋くて魅力的だ。アツモリソウも花を見ればわかるように蘭で、袋状の唇弁を平敦盛が背負った母衣に見立てて名付けられたとか。
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1つくらい買って帰ろうかと思っていたが、売場をめぐっていたら欲しいものが次々と出てきてしまい(毎度の事!)結局コタヌキラン、テンジクスゲ、ヒメツキミソウを買った。うーん、地味!(^^;) 植え替えなければならないものがいくつかあるので、ついでにこれらも鉢を選りすぐって植え付けたいと思う。
「日草展」を楽しんだ後は、かなり前から行きたいと思っていたのに行けずにいた蕎麦屋「鷹匠」へ。こちらも満足できるお味だった。今度行く時はぜひ酒をば・・・と今から目論んでいる。谷根千エリアは何度行ってもおもしろいので今年中には実現するぞ!っと。
キリッとした蕎麦、甘くないつゆ。なかなかです。
細い路地の奥にある店。風情もなかなか。