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〜おかしみ〜

18-0504-1.jpg

一昨日、佐原張子の展示会に行ってきた。「鎌田芳朗展〜おかしみ〜」である。日本民藝館に行った時に持ち帰ったフライヤーがどうしても気になり、久しぶりに四谷三丁目の駅で降りた。

千葉の水郷として知られる佐原は以前から一度は行ってみたいと思っていたところだ。JR東日本の情報誌で特集されていたのを見て、風情のある街並みと川の流れが見たかった。いまだに行けていないのだが、今回「佐原張子」という郷土玩具があることを知り、また鎌田芳朗さんの作風を目の当たりに見て、さらに行きたい気持ちが強くなった。

「佐原のピカソ」などと評されることもあるという鎌田さんの張子。なるほど、造形といい色の付け方といい表情といい、他にこのような張子があるのだろうかと思えるほどユニークである。子どもの作品のように自由でとらわれることのない雰囲気は「おかしみ」という言葉がよく似合う。ユーモラスで天然で飄々としててい、そしてあたたかい。

勝手がわからず戸惑いながら会場に入っていったが、壁一面にセッティングされたお面や様々な張子が一同に会しているといった感じでなかなか見ごたえがあった。これだけ作品が集まるのは珍しい、と会場にいた男性。鎌田さんの店「三浦屋」の方だろうか。

値段がついているものもいくつかあったので、迷った揚げ句招き猫をひとつ買ってきた。写真がそれであるが、どうです?この顔。真ん丸い目。顔と一体になってしまったような手。横からみると“べっかんこ”な顔。どこをとっても愛嬌がありとても気に入っている。

私はもともと、きっちり成形されたものよりも若干ゆがんだものが好きな方だ。しかし、「ゆがみ」は難しいのである。そこに何らかの邪心・・・とまでいかなくても欲のようなものがあるといやらしい「ゆがみ」になってしまう。昔の名も知れぬ職人たちの仕事にいい「ゆがみ」があるのは、彼らが「注目してもらおう」とか「驚かせてやろう」とかいった欲とは無縁だったからだろう。日常で使うものを淡々と作っていたからだと思う。

子供たちが作ったものの「ゆがみ」がいいのも同じことだと思う。鎌田さんはもう80歳を超えるご高齢だというが、子どものころからユニークな造形をしていたらしい。検索してみると鎌田さんについての様々な記事があり、そのお人柄に惹かれる人が多いことがわかる。機会があったらまた作品に会いたいものだ。いや、自分から佐原に行って「三浦屋」をたずねてみたいものである。

*鎌田さんの作品、1999年(うさぎ年)の年賀切手にも採用されているのよー

18-0504-2.jpgね?“べっかんこ”でしょう?

18-0504-3.jpgフライヤーに並んでいるのはたぶんフランスでも紹介された招き猫たち。

18-0504-4.jpg干支の張子もいっぱい。みんないい顔。

| - | 07:26 | comments(0) | - |
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