橋の講座が終わったのはお昼ちょっと前。浅草までゆっくり歩いて行こうと決めた時、ランチはあそこだな!と頭に浮かんだのが「カフェ・ムルソー」だ。駒形橋と吾妻橋の中間(やや駒形寄りか)にある川を見下ろせるカフェでだいぶ前から浅草に行くとできるだけ入ることにしている。なにしろ居心地がいいので。
ランチ時とあって2階はけっこう客が入っていたが、私がいつも行く3階は誰もおらず。3階は喫煙可なので嫌われているのかもしれないが、隅田川を見るなら絶対に3階の方がいい。一番いい席を取って3階独り占め状態でゆっくり食事と川の風景を楽しんだ。
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行き交う水上バスはけっこう満席状態。現代的なデザインの「ホタルナ」も何度か往き来していた。デッキに上がれるタイプの水上バスでは、川風に吹かれながらみな楽しそう。岸辺にいる人たちに手を振ったりして。海もそうだが、川もやはり人の気持ちを開放的にしてくれるようだ。
頼んだものが出てくるまでの時間も川を見ながらだと退屈せずに過ごせる。店内では女性ジャズボーカルが静かに流れ、私以外はだーれもいない。いいなぁ、この雰囲気・・・と満足しながら川を見続けていると、今まで見た事がない小さな黄色い船が視界に入ってきた。
隅田川で見た船の中でも一番小さいのではないだろうか。個人のモーターボートや水上バイクを除いては。それほど小さい船のレモンイエローがとても新鮮な印象とともに目に飛び込んできて、いったいあの船は何なんだろうと思った。
船はたゆたうように少しずつ近づいてきた。船体に何か書いてある。うーんと・・・「TOKYO WATER TAXI」か。え?タクシー?船の中には2〜3人の人が乗っており、岸辺の風景を見るためなのかエンジンを切っているように見えた。しばらくの間、ゆらりゆらりと漂っていたが少しずつスピードをあげて視界から消えていった。
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後で調べてみたら。昨年8月より運行しはじめた新しいサービスらしい。29ヶ所ある乗降場を利用し、希望に沿ったコースを回れるらしく、これはなかなか魅力的だと思った。1隻6人まで乗船可能でエアコン、トイレ装備。料金は1時間13,500円からとのことで、これを高いと見るか妥当と見るかは人それぞれだろうが、たとえば気の置けない6人で1時間乗ると一人あたり2250円になり私だったら高いとは思わない。
「いちにちゆらり旅」のような長時間(5時間くらい)に渡るクルーズもいいのだが、決められたコースを見知らぬ人たちと一緒に行くストレスのようなものは多少ある。とくに前回のように風景など二の次の団体さんたちと居合わせると・・・
ところが、この水上タクシーだったら乗降場は限られるものの特に見たいところを集中して見られる。お台場の臨海エリアが見たいとか、清洲橋など隅田川橋梁をじっくり下から見上げてみたいとか、東京ゲートブリッジをくぐってみたいとか。うーん、いいなぁ。暗くなってから乗れば、ライトアップされた橋や昼間とは全く違う表情を見せるガントリークレーン群なども見られることだろう。うーん、いいなぁ。
私はグループ行動が苦手なので理想は2〜3人での乗船だが、そうすると一人当り割高になりそう。また、1時間では物足りなくなりそう。そこいらあたりがネックかな。6人集めてどどーんと2〜3時間楽しめたらさぞかしいい思いができるだろう。今のところ想像を膨らませるだけにしておくが、いつか実現できたらいいと思っている。
*昨日はけっこう気温が低かったですね。
*久しぶりに、山梨在住のきものの師匠宅へ。半衿付けを教えてもらいに。
*うろこ雲、いわし雲、ひつじ雲・・・似ているなぁ。