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煽られてはいけない

17-0913.jpg

・・・猫にならだまされてもいいかなぁ・・・

懸念されていた9日のミサイル発射がなかった云々といまだに北朝鮮のニュースがあれこれ伝えられている。ワイドショーではコメンテイターと称する人たちが本当に自分の見解かどうかわからぬ発言をしている。時折政治家(政治屋?)が出てきてもっともらしいことを言い、北朝鮮方面に詳しいと言われるマスコミ関係者も持論を述べたりしている。みんな、ギャラをもらって。

数日前、ネットニュースで異様な写真を見た。小学校で北朝鮮ミサイルに対応する訓練をしている光景だ。銀色の防空頭巾(ひー!)をかぶって頭をかかえてうずくまっている子どもたちの横で教師とおぼしき大人が指導らしきことをしている。核ミサイルが落ちたら、うずくまる姿勢も身を守る頭巾もほとんど用を成さないような気がするが・・・

ミサイルに関する街頭インタビューをしている様子もテレビやラジオで見聞きした。街を歩く人たちもいろいろだが、政府やマスコミほどうろたえていないように思えた。平和ボケしているのかもしれないが、広島や長崎に落とされた原爆のはるか上をいく威力を知れば、慌てて行動しても無意味なのではないかとうっすらとわかっているのではないだろうか。

一番騒いでいるのは首相をはじめとする政治家たちやマスコミで、国民をある方向に誘導しようとしているのではないかと思うことがある。北朝鮮の脅威を声高に言うことによって、軍備補強を正当化し、「戦争ができる国」「戦争をする国」になることに共感を覚えさせようとしているのでは?

黒電話のような髪形をしている人は、相変わらず強気の発言をしているが、大国を手玉にとるようなやり口を見ていると案外冷静に計算しているように思える。ただの脅しに見えなくもないが、かといって短絡的な行動をとるようにも思えない。国連安保理が一枚岩ではないことを十分知った上で、最も効果的な自己主張をしているように見える。

そんな相手に対して「制裁」を叫ぶ一方ではどうにもならないのではないか。草を食べてでも核を開発すると言われた国である。目には目を、では事態は悪化する一方なのではないかと懸念される。私たち国民は、誰が何を言っているかを冷静に観察し、自分なりに分析する努力をしていかなくてはいけないように思う。情報が錯綜し判断は難しいかもしれないが、したり顔で物を言う人たちに煽られてはいけないのだ。

件の写真の異様さは、「大本営」を信じて疑わず「鬼畜米英」に対抗するために竹槍訓練などをしていたころを連想させたからかもしれない。地震や火災を想定した訓練ではないのである。ああいった訓練を教育現場がまっさきに取り入れる事態が私は怖い。

作家・林京子は1999年にニューメキシコ州のトリニティ・サイトを訪れている。そこは1945年7月16日、アメリカが世界ではじめて核爆弾の実験を行ったところだ。広島に原爆を投下する直前で、使われたのはプルトニウム爆弾だったらしい。当時アメリカはウラニウム爆弾1つ、プルトニウム爆弾2つを持っており、実験には2つあったプルトニウムのうちのひとつを使った。残ったものはそれぞれ広島と長崎に落とされたということだ。

トリニティ・サイトは日を限って見学が許可されていたという。核爆弾実験場であった場所へ入るまで厳しいチェックがあり、渡された小冊子には入った時の放射線量がきちんと書いてあり、自然界で一年間に受ける放射線量も記載され、実験場に入るか入らないかを自分の責任で判断するように求められる。きちんと説明した上で、個人の責任に任せる。アメリカは原爆を落とした国ではあるが、この個人をたいせつにする姿勢は林をむしろ解放したという。「ただちに健康への影響はない」云々で国民をバカにしたどこぞの国とは大違い。

また、林は東日本大震災で福島第一原発が事故を起こした時のことについて触れている。様々な報道がとびかう中、納得できないものがあったので知りあいの医師に電話して聞いたという。被爆者であり被爆者の治療を続けてきた医師に、近隣住民に対する避難指示についての疑問をぶつけた。

日本政府の指示は、原発の20キロ圏内に居住する人たちは強制退去、30キロ圏内は退去勧告だった。しかしアメリカは80キロ圏内に住んでいるアメリカ人全員に退去を勧告した。この違いは何なのだろうか・・・林は疑問を感じたという。医師はこう即答した。「人の命、人権に対する認識の違いです」と。

つまり、日本の政府は国民の命を軽く考えているということである。これは常々私も感じていることであり、そんな政府の言いなりになってたまるかという気持ちが、あの事故以来根強く身のうちにある。

北朝鮮の核ミサイルに対する恐怖は私にもある。が、無闇に慌ててもいいことはないと思う。こんな時代だからこそ、先の戦争で被爆した人たちの話に耳を傾ける必要があると思うし、あの時国がなにをしてきたかを知る試みをしなければならないと思う。

また、何度も触れているが、伊丹万作の「戦争責任者の問題」についても再度考えていかねばならないだろう。「だまされるということ自体がすでに一つの悪である」という過激な発言には賛否両論があると思うが、政府やその意を酌むマスコミを盲信していればそう言われても仕方ないようにも思う。自分たちのことは自分たちが考えて決めなければ・・・そのためには批判力、思考力、判断力を常に保たねば、と自分に言い聞かせる日々である。

*11月の「小三治・三三親子会」のチケット、抽選で当ったぞ!

*もちろん有料だけど小三治さんはほとんどチケットとれない。今から楽しみ〜

| - | 06:07 | comments(6) | - |
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