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特別感のある猫

17-0709-1.jpg

・・・最近のお気に入りはマイサイズより小さい箱・・・

 

猫はみんな、かわいい。薄汚れた野良猫も、他所で飼われている猫も。ましてや自分の家の猫はなおさらかわいい。かわいい・・・というよりも、愛おしく、時には尊敬すらする。自分と同居する猫は、どれも同じくらい愛おしい。と言いたいところだが、それぞれの個性を愛しつつも自分にとって「特別感」のある猫とそうでない猫があることを認めざるをえない。

一昨年あちらの世界に逝ってしまったゴンがそうだった。家猫となり去勢されたオス猫はたいてい穏やかで友好的な性格になるが、ゴンはもともとそういう性格だったように思う。うちに来たのは生後4ヶ月くらいで、それまでは生まれた家で母猫と一緒に大切にされていた。だから人間に対して警戒心がなく、わが家に来てからも初対面の人にもごく自然に近寄り興味を示していた。

ゴンの「特別感」は、穏やかというか暢気というかおとぼけというか、そんな愛すべき性質にどこか突き抜けている感じがあったところ。こちらに都合が悪いことをやらかしても、「憎めない」を通り越してさらに愛おしさを感じさせた。よく物を壊し(主に電化製品。家人のノートパソコンやファクスなどなど)、実際には困ったのだが。

特別賢くも見えなかったが、人の気持ちや言葉をとてもよく理解した。こちらが落ち込んでいたり、具合が悪くてげっそりしている時は、何気なく近づいてきてそっと寄り添ってくれた。身体を何度もすり付けるような甘え方ではなく、そっと寄り添い静かにしていた。自分のぬくもりで私を慰めようとしているかのように(勝手にそう思っているだけかもしれないが)。

私によく話しかけた。なんとなく言いたいことがわかるような気がした。何かしでかして私が「こら!」と言うと、「うにゃにゃにゃ・・・」と言い訳をする。「だってさ・・・」と言っているように思えた。で、「だって、じゃないでしょ!」と言うと、もごもご何かを言いながら部屋の隅などに行き、ふて寝していた。家人と私が軽い言い争いをすると、間に入って大きな声で鳴いた。「ねえねえ、やめようよぅ!」と言っているようだった。

後から来た子猫2匹(みかんとまめこ)の面倒をよく見て2匹から慕われていたが、彼女たちが大人になってからはけっこうクールで時に横暴だった。それなのに、2匹のメス猫たちはゴンが大好きで最後まで慕っていた。

ゴンは自分が猫ではなく人間だと思っていたのかもしれない。もしくは私が人間ではなく猫だと思っていたのかも。そんな気にさせる猫だった。そして、いつまでも私の中ではナンバーワン&オンリーワンであり続ける存在だ。

そんなゴンが去った後、成り行きでわが家に来たのが写真のふく。来た当初はやんちゃでやることなすこと強気で自由きままだったが、しばらくしたら「この猫も特別感がある」と感じるようになった。何事にも真剣でまっしぐら。本能に従って動いているだけだから、いくらこちらが困ることをやってもある種の爽快感がある。「こいつぅぅぅ!」と一瞬怒りを感じても、すぐに「やられたなぁ・・・」と苦笑してしまう。

すくすく育って大きくなった。大きくなりすぎた感があるが、スケールの大きさを感じさせる性格なので「身体も態度もでかい」と褒めたくなる。いや、健康上あまり太ってもらっては困るのだが。

2才の若猫、しかも女子。それなのに歩き方はのっし、のっし。普段は押し出しが強いが、メス猫の常としてけっこう用心深くなってきた。排水や漏電の検査員などが来るとどこかに隠れるし、息子でさえ警戒するようになった。ここら辺りがゴンと大きく違うところで性差によるところが大きいのではないかと思われる。

何をやっても存在感たっぷり。強面なのに時々甘えて柄にもなくかわいらしい声で鳴く。普段はほとんど声を出すことがなく、他の猫たちが「ごはん!ごはん!」とうるさく催促しても黙って待っている。ドアを開けたり一目を盗んでゴミ袋を襲ったり、となかなか賢い。賢いがずるさを全く感じさせない賢さで、ゴミを散らされても私は黙々と後始末をし、「ふくちゃん、またやってくれたねぇ」と言うのみ。手強さもまたかわいらしさのひとつなのだ。

数ヶ月前から、うつ伏せ状態で後ろ足をまっすぐに伸ばす「後ろ足びろーん」をやるようになった。ゴンの得意技だったが、大人の猫でそれをやるものはけっこう少ない。関節が硬くなってしまうからなのか、子猫ではよく見かけても大人猫はあまりやらないのだ。ゴンはスマートだったので「びろーん」も大変かっこよかったが、ふくのは今ひとつ。足の伸び具合も不完全。でも、やってくれてとても嬉しい。ゴンが部分的に乗り移ったのか。

身体が大きいので、階段で寝ていると一段分まるっきりふさがってしまい、通る時は一段ぬかさねばならない。邪魔だなとも思うが、やはりかわいい。食事の時間が近づくと(たいてい5分前くらい)私がいる部屋のドアを開けて催促する。「もうちょっと待っててね」と言うとそれ以上やらない。言葉そのものを理解しているというよりも、口調から感じる雰囲気を敏感に察知しているのかもしれない。

ふくがまだ1才になる前あたり、あまりにいろいろやらかしてくれるので家人はよくキレていた。そんな時私は、「これがふくの性格なんだから仕方ないよ。今に私たちにとってかけがえのない、私たちの気持ちを救ってくれるような猫になるような気がするよ」と言ったものだ。そしてそれは、たぶん当っている。

特別感のある猫、ふく。大人になってきたからなのか、用心深くなってきてちょっと物足りないこともある。が、それは仕方のないこと。小さくまとまることなく、ふくはふくらしく大胆不敵のままでいてほしい。困る時は困るんだけどね。

 

*ふくは元気だが、最長老のみかん(♀15才)の調子が悪い。

*検査したら腎臓病。数値もかなり悪い。今は落ち着いているが。

*処方食と点滴で対処。明日検査。がんばれ!

17-0709-2.jpg「がんばってるわよ。もちろん!」

| - | 10:39 | comments(4) | - |
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