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バラ園に望むこと

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バラ園に行く度にちらっと頭を過ることがある。けっこう前からのことなので、一度くらいブログ記事に書いたのかもしれないが、このところひどく忘れっぽいので。

バラのハイシーズンになると、各地のバラ園で様々なイベントが催される。先日行った京成バラ園でも、連日「ガイドツアー」やバラの世界では有名なゲスト(バラの専門家であったりフラワーアーティストであったり、等々)を招いてのトークショーのようなものを開催しているようだ。それを目当てにバラ園を訪れる人も多いらしいことは想像できるし、バラの楽しみ方はいろいろあっていいと思っている。

しかし、現実的にはそうせざるをえないのかもしれないと思いつつ、商売に徹しすぎていると感じることも多く、本当にバラのことを知りたい人々(とりあえず私もその1人)にとってはもどかしいというか、物足りない状況もまたある。

どのようにしてより多く集客するか、は重要だ。民間企業の事業である以上、利益追求は基本中の基本だろう。しかし、それと同時にバラを文化としてとらえた活動もしてほしいと願う。

まず、基本はバラの名前の正確な表記。カタカナ表記をしないと読めない人が多いからそれはそれでいいのだが、それと一緒に学名(ラテン語)の表記も載せるべきだと思う。可能であれば作出年、作出者、作出国も。京成バラ園ではほぼこれがクリアされているが、肝腎のネームプレートが見づらいものが多い。

また、すべてのバラ園に求めるものではないが、わからないことを質問できるシステムを確立してほしいといつも思う。すべてのバラについて把握することはかなり難しいと思うが、そのバラを選んで植えた以上選んだ人がおり、選んだ理由があるはずだ。来園者が知りたいのはバラの名前や育て方だけではなく、系統についてだったり由来についてだったりすることだってあるのだ。そういったニーズは少ないのかもしれないが、それに応えるよう努力してほしいと思う。

バラ歴が長いとはいえない私ではあるが、バラが好きだという人たちの中には少数ながらプロ並の知識を持っている人がちもいる。各種の書籍や資料を探して自分なりに分析したり、種を蒔き、育てながらきめ細かい観察を続けている人たちもいる。彼らは所詮「素人」ではあるが、いわゆる専門家や研究者が見落としがちなことに気づいたり、全く違う視点を持っていたりもする。

そんな人たちも、何かあれば専門家の意見を聞き、知識を得たいと思うに違いない。しかし、私が知る範囲においては、専門家とそういう人たちを結ぶネットワークもなく、窓口さえない。いわゆる「バラ会」というものが存在しそれぞれ活動しているが、ともするとサロン的な雰囲気が漂いやすいような気がして避ける人も一定数存在する。そういった特定のグループの中でではなく、バラに関する開かれた情報共有が望ましいと私は思っている。

昨日の記事に書いたが、パークス・イエロー・ティー・センテッド・チャイナかもしれない(今まで「パークス」とされていたバラは本当のパークスではなく、本物はすでに失われているのではないかという説が主流になりつつあるようだ)と思われるバラを京成が植えたらしい。

昨晩ふと、それは「ブライトサイド・クリーム」というバラではないか、と思った。今までにも、もしかしたらこれが真正のパークスではないかと言われたバラはいくつかあったように思うが、私の記憶にあるのは「ブライトサイド・クリーム」である。いわゆるバミューダ・ミステリーローズとして、「アンティーク・ローズ・ガーデン」という個人経営のナーサリーが2007年に紹介している。

このナーサリーは、販売手段をオークションという形にしたため批判もかなりあったと記憶しているが、当時知られていないバラを見つけて紹介し、商品化したという点は見逃せないことだと思う。個人だからできたことで、会社組織の中ではなかなかできないことなのかもしれない。私もいくつか苗を購入したことがあるが、とりたてて問題視するようなことはなかった。

現在このナーサリーは運営されていないか、別の販売方法をとっていると思われる。オーナーが身体をこわした、という話をちらりと目にした記憶はあるが、その後については全く知らない。ちょっと気になってはいるのだが。

もしかしたら京成が導入したのは「ブライトサイド・クリーム」かもしれないと思ったものの、確認する手だてがない。京成バラ園のサイトを丹念に探してみたが、バラ園のイベントや育て方などについて問い合わせをすることができても、個別のバラについて聞けるような窓口はないようだ。聞きたいとこが聞けないもどかしさ・・・どうしてくれるのだ!!(^^;)

すべてのバラ園で、とは言わない。京成バラ園など全国的に知名度が高く原種を植えているバラ園や、草ぶえの丘のように「バラ文化」を標榜しているバラ園に限ってでもいいから、聞きたいことを聞けるようなシステムを早く作ってほしいと切に願う。

もう一つ願うのは、自分たちのバラ園に植えられているバラについて、きちんと把握してほしいと思う。スタッフ全員が把握する必要はないが、植えられるまでの経緯や出所をきちんと把握している人がおり、問い合わせがあれば応えるという体勢をとってほしい。

というのも、昨年注文して今年草ぶえの丘で受け取ったバラが謎だらけで困っているからだ。苗作りや販売を取り仕切っていると思われる方に聞いてもわからないとのこと。でも、植えた以上誰かがどこからか仕入れたのであり、植えた理由もまたあるはずなのだ。

草ぶえの丘バラ園は、前身を「ローズガーデン・アルバ」といい「NPOバラ文化研究所」が主体となって運営されている。国際ヘリテージ・ローズ会議への参加など国際的な活動もしており、バラを「文化」としてとらえようとしている団体だ。それゆえ、商業主義の経営とは別の活動もできるはずだと思われる。

一時に比べたらずいぶんバラから離れてしまったので、当時の知り合いとはほとんど遣り取りもしなくなってしまった。たったひとつのバラを見るために毎週のように出掛けて行った人、棘のかたちや付き方までじっくり観察していた人、同じ名前のバラなのに様子が違うことに気づき、現地に行ってみた人・・・みなさんそれぞれ自分たちの発見をきかっけに、「知りたい」という一念で熱心に動いていたことを思い出す。

そういう人たちがいることをバラ関係者たちにはぜひ知ってほしいし彼らとのネットワークづくりを考えてほしい。花の美しさを愛でるだけが「バラを愛する」ことではないのだから。

*涼しいですなー これくらいの気温がいいなー

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| - | 08:24 | comments(6) | - |
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