CALENDAR
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< May 2017 >>
SELECTED ENTRIES
RECENT COMMENTS
ARCHIVES
MOBILE
qrcode
LINKS
PROFILE
OTHERS

Interior

日々の内側
copyright sumigon all rights reserved
5年ぶりの京成バラ園

17-0525-1.jpg

昨日はRさんと京成バラ園に行く予定にしていたのだが、急遽キャンセルになり1人で行こうかなと思っていた。が、家人が車で行ってくれると言うので、ありがたく連れていってもらうことにした。毎度思うことだが、バラにほとんど興味がないのに連れて行ってくれ、また私があれこれ見回っている間じっと待っていてくれて・・・本当にありがたや。いびきがうるさくても足で蹴るのはやめようかな。

2、3年ぶりかと思っていたが帰宅して調べてみたらなんと5年ぶりであった。それもそのはず、なんだか知らないバラがたくさんあって戸惑うことも多々あった。残念だったこともあるが、それ以上に知らないバラの存在を知ったり、好きなバラが見事に咲いているところを見たりする喜びの方が大きく、暑さの中出掛けていってよかったと思う。

今はバラのハイシーズン中のハイシーズン。平日でも大混雑で駐車場に入るまでかなり手間取った。千葉県内のナンバーが多かったが、福島ナンバーもあって京成バラ園の全国的な知名度が計り知れた。草ぶえの丘のバラ園は少しマニアックなところがあるが、京成はバラの名前や系統、由緒などに興味はないがきれいに咲くバラは見たいといった一般的なバラ好きたちには魅力的なのだろう。

まず、残念だったこと。京成バラ園に行くとまず見に向かうのが、ルゴサのコーナー。中央のハイブリッド・ティはまず見ないので左にそれてイングリッシュローズのコーナーの端を通ってアーチをくぐると左に折れる小径がある。その小径にそってルゴサ系のバラがいくつか植えられており、マイカイ(玫瑰)がある。かなりの大株で見ごたえがあるのだ。やや日陰になったところに、陰りのある赤紫色の花が咲いているところはなんともいえない雰囲気があった。

マイカイは何かと話題になるバラで、中国でいう「玫瑰」と日本の「マイカイ」は違うことはわかっている。また、「マイカイ=ハマナス」ではないことも。この辺りについての詳しいことは、バラ友であるpotatoさんが詳しく調べて書かれているので、そちらを参考にしていただきたい。

で、京成のマイカイだが、なんだか枝数が少なくなってしまって花もまばら。かつての姿を知っているだけにけっこうショックだった。今後の様子を見なくては!と思いつつ、ルゴサ系にしては細くて華奢な感じがする葉やしなやかな枝ぶりはやはりいいなぁと感じた次第。

もうひとつ残念だったのか・・・これは致し方ないことなのだが、バラの枝が奔放に伸びているのでネームプレートが見にくいこと。とくに「シュラブ」という樹型が多いオールドローズ(アルバ、ガリカ、ダマスクなどはとくに)の枝が奔放に伸びて何が何やらわからなくなってしまっている。

自然樹型を見ることができるのは魅力でもあり、ある意味で見本園のようになっている草ぶえの丘にはない良さが京成にはある。それを知りつつ、とにかく名前だけははっきり認識したい私にとっては若干残念なことだと言わざるをえない。

嬉しかったこと。いろいろな発見があった。たとえば、マイカイと同じルゴサ系のバラで深い紫色が魅力的なBasye"s Purple Rose(ベイシーズパープルローズ・HRg・1968)はブッシュ型の樹型(自立する比較的コンパクトな樹型)だと思っていたのだが、高いポールに誘引されていた。調べてみたら枝の伸びは2.5メートル(姫野バラ園)となっているのでおかしな話ではない。草ぶえの丘では1メートルに満たない樹型だったように記憶しているが、やはり別のバラ園で様子を見るのは大切だなと思った。

またこれも同じルゴサ系のバラで「Snowdon」(スノードン)というバラがある。咲き終わりにややピンクが入るがほぼ純白のバラで、バラの大先輩であるTさんが長年愛培していると思う。このバラはイングリッシュローズのリストには入っていないがデビッド・オースチンが作出したもので、前々から着にはなっていたのだがじっくり見たことがなかった。京成にスノードンがあるのを知らなかったので、昨日見られてとても嬉しかった。ルゴサ系のバラは花びらが薄紙のように薄くて儚げだが、白い花はとくにそんな感じが強い。かなり大きく育っており、今後が楽しみだ。

知らなかったバラをいくつか見ることができたことも嬉しい経験だった。ノワゼットのコーナーはやや花が終わりかけていたものが多かったが、植えられてあまり年月が経過していないと思われる小さめの株に咲いた花がなんとも繊細。ネームプレートがなかったので根元あたりを見ると「Marie Accary・仏・Guillot 1872」のタグがあった。Guillot(ギヨー)はフランスの老舗ナーサリーで、初代はティーローズの名花「マダム・ブラビィ」を作出したJean-Baptiste Guillot(1803-1882)だ。ややこしいのは息子も同じ名前であることで、名前の後に“Flis”がつけば息子のことを指す。

息子の方のギヨーは、諸説あるがハイブリッド・ティの第1号として有名なラ・フランスを作出したことで有名で(1867年)、「Marie Accary」は調べてみるとその息子の作品のようだ。作出年もラ・フランスから5年後ということになる。ラ・フランスは非常に香りがいいバラで花も大きく好きな人が多いと思うが、「Marie Accary」の繊細な感じも捨てがたいと私は思う。これも今後の観察リストに載せておかねばー

もうひとつ、そろそろ帰ろうかと思った矢先に見つけたのが「Ping Dong Yue Ji」(ピン・ドン・ユー・ジー)という奇妙な名前のバラ。ファウンド・ティとのことで、これは植えられてからまだそう日が経過していないものと思われる。というのも、ティーローズのコーナーとはほど遠いところの、これまた目立たない場所にあったからだ。ティーローズのコーナーは年々数が増え続けもやは新しく導入したバラを植える場所がなくなってしまったのだろう。最近導入されたものは思いがけないところに植えられていたりするので、やはり1年に一度は行っておかないとわけわからん状態になりそうだ。

ファウンドローズだということは、作出者や作出された時期がわからない状態で発見された、ということだ。名前からして中国で発見されたのではないかと思うが、ネームプレートに記載されているのは「2007年 Brichet」。Brichetという人が発見者だということか。しかし、こちらで調べてみると、1930年ごろになんと日本人のビジネスマンが台湾の家族に贈り、それがKun Wangという台湾の人によって集められ、イギリスにもたらされ、Kim Rupertという人の手に渡ったという説明がある。ヨーロッパ由来のバラではないか、「Cels Multflora」「Spice」「Odee Pink」と似ている、とも。

「Cels Multflora」もファウンドだと思っていたら、どうやら作出者などがわかっているようで、フランスのFrancis Celsにより1836年以前に作られたようだ。「Spice」はファウンドで、ヒュームズブラッシュ・ティーセンテッド・チャイナと同じだという説とそうでない説があるようだが出所はわかっていない。「Odee Pink」もファインドティーで、なるほどよく似ている。

バラの魅力は様々だが、私にとってはこうして由来や系統を調べることも大きな魅力となっている。バラからだいぶ離れたと思っていたが、やはりバラ園に行くと焼けぼっくいに火がついて夢中になってしまうところがある。

もうひとつ、忘れないでおかないとけいないことがあった。帰り間際のことだが、聞き捨てならない話を耳にしてしまった。このシーズンは毎日ローズガーデンツアーを開催しているようで、昨日は京成バラ園芸グロアーマネージャー(ってどんな職種だ?)の入谷伸一郎氏のツアーだった。がやがやとうるさいので避けて歩いていたのだが、ティーローズのコーナーあたりで「フォー・スタッド・ローズ」(中国からヨーロッパに渡りバラに四季咲き性をもたらした4つの種馬バラ)の話をしていたようだった。うるさいなぁと思いつつ写真をとっていたのだが、話がパークスイエローについてになり、これが本当のパークスではないかと言われているバラを今年植えたらしいことを知った。植えたばかりだし、花はすでに散っているとのことだったので、来年はぜひ確認しなければと思う。

ご存知の方も多いと思うが、「フォー・スタッド・ローズ(・オブ・チャイナ)」とは、「スレイターズ・クリムソン・チャイナ(ロサ・キネンシス‘センパフローレンス’)」「パーソンズ・ピンク・チャイナ(ロサ・キネンシス‘オールドブラッシュ’)」、「ヒュームズ・ブラッシュ・ティー・センテッド・チャイナ」、そして「パークス・イエロー・ティー・センテッド・チャイナ」の4つだ。

しかし、この中でパークス・イエローだけが一季咲きでつる性という性質を持ち、淡黄色の花色と花びらが反り返る性質をもたらしたという説もあるようだが、その一方で本当のパークス(四季咲き性の黄色っぽいバラ)は別にあるのではないかという説も耳にしたことがある。それを特定するのはかなり難しいことだと思うが、京成バラ園が導入したということは可能性としてはあり得ることだと思う。これまた来年のお楽しみ。

曇りがちでラッキー!と思って出掛けたら、現地はかなりの陽射し。いた時間帯が調度晴れ上がった時間帯だったようで、まあ暑いこと。文句もいわず待っていてくれるとはいえ、人を待たせてじっくりゆっくりもしていられないので、正味1時間強で広大なバラ園を回った。見るだけでなく写真も撮りたいので駆け足状態(^^;)シャッターを切る回数は1種類について基本的に1〜2回。見逃したものも多いと思うが、あの暑さではどの道じっくり見ていることはできなかったかもしれない。様々な発見や喜びを経験できたことだけで十分だと思っている。

facebookにアルバムをアップ。こちらは備忘録として。

*「木と草と花と・・・」更新。こちらは少し感想を。

*コメント欄を復活させたので、あちらの方がコメントしやすい方はどうぞ。

*この記事を含めるとけっこうな作業量ざんした。ちかれた〜

17-0525-2.jpg

| - | 11:52 | comments(0) | - |
SPONSORED LINKS