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奢㶚都舘

昨年あたりから少しずつ本の整理をし、少しずつ手放している。雑誌などは新聞と一緒にゴミとして出すことが多いが、それ以外はほとんど明大前にある七月堂古書部に送っている。もうかれこれ3回か4回送ったと思うので、少しは本が減ったか・・・と見回してみたが、数としては確かに減っているはずなのに見た目は全く変わっていないように思える。なぜだ!?

整理をしながら、送ろうかどうか迷う本もある。私は比較的処分すると決めたら思いきって処分できる方なのだが、それでも中には数冊迷う本が出てくる。今後読み直す可能性があるかどうか、が処分非処分の基準なのだが、なにせ気分で本を読む私のこと、ある日突然処分してしまった本が読みたくなることだってありうるからだ。

けっこう迷ったが古書店に持っていこうと決めた本が2冊ある。ちょっとマイナーな分野の本だが、本としてなかなか美しい本でもあるので、内容を含めて興味を持っていそうな古書店に。一軒思い当たる店があるので、そのうち持っていって買い取りできるかどうか聞いてみようと思う。

その2冊とは、「ダンディズムー栄光と悲惨ー」(生田耕作)と「閉ざされた城の中で語る英吉利人」(ピエール・モリオン/生田耕作訳)。発行は奢㶚都舘という読み方がわからない出版社だ。社名からして凝りに凝っているが、フランス文学者・生田耕作のプライベートプレスだと知れば不思議さは感じないだろう。どうやら「サバト舘」と読むらしいことがわかった。

生田耕作についてはさほど知らないが、私の中ではまず「異端」という言葉がイメージされる。wikiでも、「フランス異端文学の紹介に努め・・・」とあるし、図書目録に掲載されているマンティアリング、ワイルド、バタイユ、などの名前を見ればなるほどと思ってもらえるのではないだろうか。

この2冊(実はもう少し奢㶚都舘の本は持っていたかも)を入手したのは20代中ごろか。最近は絵画の分野で「奇想」流行りだが、若いころから「異端」にも心惹かれていたことを今さらながら確認した次第。売る前に読んでみるか、とページを繰ると図書目録(写真)がはさまれていて、目録さえもどこか神秘的な印象を与える。表紙には、以下の文章が印刷されている。

低俗と量産の時代に、敢えて問う誇り高き少数者の声。瓦礫文化の底から、埋もれた結晶群の美を探る、<反時代的>コレクション。細心の編集と瀟洒な造本で贈る。

そうなのだ。奢㶚都舘の本の魅力はその内容だけでなく、「本」としての美しさを追求しているところにあるのだ。私が魅かれて入手したのも、内容を読んでみたいと思っただけでなく、本を手に取り装幀や紙質などを確かめてみたかったからなのだ。先に挙げた「閉ざされた・・・」など箱も本体表紙もほとんど真っ黒で背表紙の題名は金色で押してある。うーん、オシャレというにはあまりに洗練されているし、読まずとも持っていたいところは山々なれど・・・(また迷う(^^;))

奢㶚都舘は今でもあるのだろうか。そう思って調べてみたが確かなことはわからなかった。ただ、生田耕作氏亡き後仕事を引き継いだ夫人もなくなり、今は出版社としての営業はしていないようだ。ただ、「サバト本」を扱う古書店はいくつかあることがわかった。ごく少数かもしれないが、熱心なファンはいるのだろう。

さて手元にある2冊の本。読んでから売るか。読まずに売るか。とりあえず読まないまま持ち続けるか。読んでから決めるか。うーん、また迷いはじめてしまった(^^;)

*今日も暑くなりそう。今って何月?

*暑さに慣れるまで、けっこうつらい日々が続くのだー(T.T)

| - | 08:13 | comments(0) | - |
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